

墨付け

ところで「墨付け」というのは非常に大事な作業で、この作業の精度が直接加工の精度にも結びついてきます。ですから、できる限り細い線でクリヤーに書く必要があります。中には0.3mmというような細いシャープペンシルもあるのですが、これはすぐ折れたりして使いづらい。しかも本当を言うと0.3mmでは太すぎるぐらいです。




ところで、このような作業の場合、材料となる木の種類によって硬さなどに違いがありますから、嵌め合いも考えなくてはいけません。たとえば欅(ケヤキ)や桜(サクラ)、楢(ナラ)のような硬い木であれば、あまりきつくすると嵌りにくくなります。逆に胡桃(クルミ)や桂(カツラ)、松(マツ)などのような柔らかい木であれば、少しきつめでも良いという事になります。
そこでどうするかというと、この「墨線」の太さを変えれば良いのです。太くして「墨外」を切れば嵌め合いはきつくなりますし、細くして「墨外」を切れば嵌め合いはゆるくなります。そういう調整がしやすいのが私の使っているこのペンです。「墨付け」の作業は、ほぼ毎日行われる作業と言っても良いぐらいです。加工の精度を決める大事な作業なので、そのツールとなるペンはとても大事になってきます。
あっ、それともうひとつ言い忘れましたが「よく見える目」…これも大切ですね。私は眼鏡を着用しています。老眼も入って遠近両用眼鏡です。最近は視力の衰えを感じます。目が見えなくなったらこの仕事も終わりかなと思ったりしています。これ以上視力が落ちない事を祈るばかりです。(蛇足でした)