

拭き漆
当工房の家具の塗装では、木の素材感を生かすのに最も適した「オイル仕上げ」と「拭き漆仕上げ」にこだわっています。
拭き漆仕上げの際に欠かせないのは、とにかく素地をきれいに仕上げる事です。必ず鉋(かんな)で適切に表面を削り、その後には非常に細かい番手のサンドペーパーで表面をきれいに磨きます。理想を言えば、名人が鉋だけで仕上げて終わるのがベストです。でもなかなかそのようには行きません…。
鉋できれいに削る事で、その木が持つ素晴らしい味わいが浮き上がってきます。表面がへたくそに削られていたり、ささくれや傷、汚れなどが少しでもあろうものなら、拭き漆はそれらをすべて晒し出します。ですから特別デリケートな仕上げ精度が要求されます。
以下に「拭き漆仕上げ」に使用する主な道具と簡単な工程をご紹介致しますが、漆の世界は奥が深いので、ここではごく簡単な説明にとどめておきます。

鉋できれいに削る事で、その木が持つ素晴らしい味わいが浮き上がってきます。表面がへたくそに削られていたり、ささくれや傷、汚れなどが少しでもあろうものなら、拭き漆はそれらをすべて晒し出します。ですから特別デリケートな仕上げ精度が要求されます。
以下に「拭き漆仕上げ」に使用する主な道具と簡単な工程をご紹介致しますが、漆の世界は奥が深いので、ここではごく簡単な説明にとどめておきます。

この後、温度(28度)と湿度(80%)の管理された場所に置いて乾かします。漆の専門家のように専用の漆室(むろ:漆風呂とも言います)があればいいのですが、無い場合はあの手この手で部屋を改造して理想の温度、湿度に近づけます。
道具の後始末も大切です。高価な刷毛が固まって使い物にならなくなる事のないよう、よく漆分を落とし、タネ油につけておきます。又、桶やどんぶりに残った漆が外気に触れて固まらないよう、蓋紙(専用の蓋紙)をきちんとしておきます。
このような工程を何回も何日間にも渡って繰り返します。漆の作業は、本作業はもちろんの事、準備や後始末にも随分手間がかかります。又、温度や湿度の管理にも気を掛け、手間を掛けます。非常に大変な作業ですが、他には代えがたい漆の良さを出すためには仕方のない事なのです。
【こぼれ話1「漆かぶれ」】
漆を扱っていると多かれ少なかれ皮膚に付いたりします。(ゴム手袋をはめていても、どうしても少しは付いてしまいます。) そうすると、たいていの人はかぶれます。私自身は、運良くかぶれた事が無いのですが(両親に感謝)、かぶれると時には高熱が出たりする事もあり大変です。治すには病院へ行くしかありません。昔は、沢蟹をつぶしてそれを患部に擦り付けたりしたそうですが、果たして効くのかどうか分かりません…。
ところで、漆は空気感染する事は絶対にありません。触らなければ大丈夫です。又、作品になった漆製品は完全に乾いていますからご安心を。
【こぼれ話2「缶詰状態」】
拭き漆の作業に入ったら、終わるまでは途中で休憩は無しです。なぜならば漆が固まったり、乾いたりして台無しになってしまうからです。午前中いっぱい閉じこもって作業する事などもよくある話です。
ですから来客があろうと電話が鳴ろうと一切出ません。(悪しからずご了承下さい。) 陶芸家に例えると、オイル仕上げがガス窯や電気窯なら、拭き漆仕上げは登り窯のようなものでしょうか。結構気合を入れて作業に取り掛かるものです。
道具の後始末も大切です。高価な刷毛が固まって使い物にならなくなる事のないよう、よく漆分を落とし、タネ油につけておきます。又、桶やどんぶりに残った漆が外気に触れて固まらないよう、蓋紙(専用の蓋紙)をきちんとしておきます。
このような工程を何回も何日間にも渡って繰り返します。漆の作業は、本作業はもちろんの事、準備や後始末にも随分手間がかかります。又、温度や湿度の管理にも気を掛け、手間を掛けます。非常に大変な作業ですが、他には代えがたい漆の良さを出すためには仕方のない事なのです。
【こぼれ話1「漆かぶれ」】
漆を扱っていると多かれ少なかれ皮膚に付いたりします。(ゴム手袋をはめていても、どうしても少しは付いてしまいます。) そうすると、たいていの人はかぶれます。私自身は、運良くかぶれた事が無いのですが(両親に感謝)、かぶれると時には高熱が出たりする事もあり大変です。治すには病院へ行くしかありません。昔は、沢蟹をつぶしてそれを患部に擦り付けたりしたそうですが、果たして効くのかどうか分かりません…。
ところで、漆は空気感染する事は絶対にありません。触らなければ大丈夫です。又、作品になった漆製品は完全に乾いていますからご安心を。
【こぼれ話2「缶詰状態」】
拭き漆の作業に入ったら、終わるまでは途中で休憩は無しです。なぜならば漆が固まったり、乾いたりして台無しになってしまうからです。午前中いっぱい閉じこもって作業する事などもよくある話です。
ですから来客があろうと電話が鳴ろうと一切出ません。(悪しからずご了承下さい。) 陶芸家に例えると、オイル仕上げがガス窯や電気窯なら、拭き漆仕上げは登り窯のようなものでしょうか。結構気合を入れて作業に取り掛かるものです。