まずは「傾斜盤」という機械を使って、材料をおおまかに切っていきます。
この工程を「木取り」といいますが、こだわりの家具作りはこの工程がとても重要です。これですべてが決まると言っても過言ではありません。どの部分にどんな木を使うか…木の性質、色、木目など十分吟味して木取りをしていきます。
板の表と裏を「自動かんな盤」という機械で平らに削ります。
幅広の板を得るためには複数の板を接ぎ合わせします。
「雇い核接ぎ」という、より接着強度の高い接ぎ合わせの仕口を使うために、「雇い核」と呼ばれる細い板の入る溝を切っています。
脚や背柱の入る穴を「ボール盤」という機械であけていきます。
穴は前後左右に対して、若干斜めになっているので、「
治具」というものを自作して機械に取り付けています。
「木工ろくろ」という機械で角材から丸棒に仕上げていきます。このように脚と背柱の形を大体整えます。
息子が「野球のバットを作ってくれ。」と言ってます。そのうちね…。^_^;
仕上がり途中の状態です。右側は角材で、これが左側の丸棒になります。
部材がほぼ出来上がりました。機械を使っての作業はここまでとなります。
いよいよこれから「手仕事」「手仕上げ」の世界に入っていきます。
「反り台がんな」という特殊なカンナで座面をけずり、くぼませます。
座面の外周を型紙に合わせて切り取り、「反り台がんな」で削って整えます。
脚、背柱をカンナでけずり、手作りの風合いを出します。この一手間が年と共に、いい味わいになっていくのです。
脚をさしこみ、楔(くさび)を打ち込んで接着します。ほぞの出たところはのこぎりで切り落とします。
座面を「四方反り台がんな」という特殊なカンナで削り、更に手作りの風合いを出します。この一手間によって「手仕上げ」の温かみが伝わると信じています。
背板も同様に「反り台がんな」でくぼませて仕上げた後、背板、背柱を組み立てます。
背柱のうち2本は「
通しほぞ」という仕口を使ってありますので、強度はバッチリです。
通しほぞの出た部分を切り取ります。
リボスオイル(植物性無公害オイル)を使って、塗装します。刷毛で塗って、時間をおいてふき取ります。これを日を置いて2回行います。
塗装も終わって完成です。お客様の要望に応じて、背板の裏に名前を
彫刻する事もあります。
この椅子にどんなかわいらしい子どもさんが座ってくれるのか楽しみです。