ほぞ接ぎ・組接ぎ手
伝統的な指物工作の世界では、材と材を組み合わせるのにネジや釘を用いず、材を様々な仕口に加工し、それを組み合わせる事で固定します。当工房でもこれらの仕口を使って家具制作をしています。
適切な「嵌め合い」(締まり具合)や「きき」(堅さの程度)で加工し、接着剤を塗って組み合わせ固定すれば、強固な構造物となります。ネジや釘を使って加工したものはいずれ緩んだり錆びたりしますので、長く持たせる事はできません。
世代を超えて使い続けられる家具となるためには必須の加工法となります。様々な仕口工作がありますが、主なものを挙げてみます。
まずは「ほぞ接ぎ」をご紹介致します。
適切な「嵌め合い」(締まり具合)や「きき」(堅さの程度)で加工し、接着剤を塗って組み合わせ固定すれば、強固な構造物となります。ネジや釘を使って加工したものはいずれ緩んだり錆びたりしますので、長く持たせる事はできません。
世代を超えて使い続けられる家具となるためには必須の加工法となります。様々な仕口工作がありますが、主なものを挙げてみます。
まずは「ほぞ接ぎ」をご紹介致します。
「小根付きほぞ」は、材の端に近いところにホゾ穴をあける時などに使います。箱物の框(かまち)の上部などに使われますが、「小根」が付いているおかげでねじれにくい特徴があります。
「地獄ほぞ」は「割り楔ほぞ」を応用したもので、ホゾの内部で割り楔を効かせます。一度入れたら二度と抜けないという事でこの名前がつけられました。
次は「組み接ぎ手」をご紹介致します。
「あられ組み接ぎ」と「石畳組み接ぎ」は、引き出しの隅など、箱を作るのによく使います。組み接ぎの数が多くなり細かくなると、その断面の形が真四角の「あられ」のようであったり、細長い「石畳」のようであったりするのでこのように呼ばれます。
「蟻組み接ぎ(蟻組み継ぎ)」と「天秤差し」は、組み手のほぞを蟻形にした接合です。締まり力が働き、すべり抜けないような強固な組み手になります。引き出しや箱の組み手によく使われます。
「包み蟻組み接ぎ」は蟻組みの一種ですが、前面からは木口や蟻ほぞが見えないようになっています。
大量生産のメーカーなどは「ダブテイルマシン」という機械を使って、引き出しの側面によくこの加工をしています。
大量生産のメーカーなどは「ダブテイルマシン」という機械を使って、引き出しの側面によくこの加工をしています。
「留形隠し蟻組み接ぎ(留形隠し蟻組み継ぎ)」は、隠し蟻組み接ぎで、更に木端面(上部と下部)を留(45度)に加工して組み合わせたものです。
表面からはその仕口は全く見えません。最高級の組み接ぎ手として位置づけられています。
表面からはその仕口は全く見えません。最高級の組み接ぎ手として位置づけられています。
「捻り組み接ぎ」と「水組み接ぎ」は、組み手となるほぞがどちらから見ても傾斜している組み継ぎ手です。高度な組み継ぎ手で、組み終わると部分的には分解できない構造となり、「頭をひねって組み立てる」事からこの名前がついています。又、角から見た形が「水」の字にも見えることから「水組」とも言います。