M様には以前に楢（ナラ）拭き漆食器棚をはじめ、2年前に上の娘さんの桜（サクラ）学習机セットなどをご注文いただきました。その時に「2年後には下の子の学習机もお願いします」と早々とご予約を頂きました。大変ありがたいことです。そのおかげで材料となる楢（ナラ）の板も早めに入手し、工房にてしっかりと保管することができました。

上の娘さんは桜（サクラ）、下の息子さんには楢（ナラ）と2種類の同じデザインの学習机セットが2つ並ぶとなかなか良い景色ですね。それぞれに味わいがあっていいと思います。

納品しました時には子どもさんが本当にうれしそうにしておられ、心待ちにしていたのだなというのが伝わってきてうれしくなりました。おまけに二人のお子さんから可愛らしいお手紙とバレンタインデーの手作りクッキーまで頂戴しました。娘さんのお手紙に「とっても使いやすいです」と書いてあったのがまたうれしかったです。ありがとう。とっても良いお手紙でしたよ。



話をお聞きしますと上のお子さんの学習机を選ぶときにいろいろな家具屋さんも見てこられたのだそうで、それなりに家具職人が作ったという無垢の学習机でしたが、それでも値段の割につくりがしっかりしていないものが多かったそうです。そして、当工房の学習机（実はM様のお姉さん宅の学習机も私が作ったものですが…）を見て、つくりに納得して決められたとのことでした。

お子さんに良いものを持たせたいというお気持ちは尊いと思います。将来いつまでも（次の世代までも）残るものですから、後々また良さを感じて頂けるのではないかと思います。

昨年の夏に「こたつ座卓」を作ってほしいというお問い合わせをいただきました。ご予算やご希望をお聞きし、板を何枚か選定してメールでお送りし、選んでいただいた板で制作となりました。

最初は国内にお住まいかと思っていましたが、アメリカに住んでお仕事をされているということを後から聞いてびっくりしました。アメリカでこたつを使われるということに対して、驚きと共に期待も膨らんで精一杯制作させていただきました。

完成したのは10月の終わりごろで、ご指定の国内の転送業者宛に送らせていただきましたが、その後最適の輸送方法をいろいろお探しになっておられたとかで、結局Mountain View市のお宅に届いたのは1月の半ばとなったようでした。長い長い過酷な旅の間には好ましくない輸送状況もあったようでしたが、それでもお喜びの感想をいただきありがたく思います。

アメリカで日本的な和室とこたつの生活をされるということ…私も大賛成です。またアメリカのご友人にもぜひ見せていただき、どのような反応をされるかも教えて頂けると嬉しいです。

昨年の秋に「拭き漆仕上げの栃無垢一枚板のこたつ座卓」を作ってほしいとお問い合わせをいただきました。ご希望をお聞きして板を選び、制作することになりました。

「拭き漆仕上げ」ですので完成まで少し時間を要しましたが、昨年の年末に何とか間に合い、お宅まで届けさせていただきました。きれいな和室に置いてみると拭き漆のこたつがよく合っているように感じました。また残材で作った延長座卓も気に入っていただけたようでした。

「拭き漆仕上げ」の場合、経年変化で色が少し変化してくること（私たちは「色が抜ける」と言いますが、少し薄くなると同時に透明感が増してきます。一層味わいも増してくるのです）や、出来上がって少しの間は慣らし運転のように（少しだけ注意して）お使いいただくと良いことなどをお話しさせていただきましたが、よくご理解くださいましてありがたかったです。

お正月に家族でこたつに入って団欒という、昔から続く日本の風景はやはりいいものですね。

昨年の8月にメールでお問い合わせをいただいた後、電話で「ぜひ工房へ行って話を聞きたい」と言われ、はるばる千葉県から家族で工房へお越しになりました。そして、無垢一枚板のこたつ座卓を作ってほしいということでいろいろご希望をお聞きしました。

話をする中で樹種は栃（トチ）の一枚板、それもできるだけ味のある板が良いということを言われました。私が「一緒に材木店へ言ってご自分で選ぶということもできますよ」と言うと、「板の選定からすべて佐藤さんにお任せしたいのです」と言われました。この言葉からも、私どものモノづくりに十分なご理解をいただいているのだなとうれしく感じました。

その後、何枚か板を選んで詳細をメールでお送りし、板を決定していただき、制作しました。その板は入り皮あり、穴あり、割れあり、節ありと言う板で、しかも形もユニークで幅も1メートルを超えるような大きな板でしたので、これを実際に日常の座卓として使用できるようにするためには少し手間を要しました。しかし、実際に制作してみると素晴らしい木目が広がり、欠点も面白く、大変味わいのある座卓に生まれ変わりました。

納品も「ぜひ佐藤さんに来ていただきたい」と言われ、千葉県の新築のご自宅にお運びしました。「里山だより」を時々ご覧になっていただいたようで、すでに十分な期待をお持ちのようでしたが、実際に見られて大変喜んでいただけました。その際に「今回当工房を選ばれた理由は何ですか」とお聞きすると、お父様のお話をされ、私どもにも同じようなモノづくりに対する姿勢や気持ちのようなものを感じたということを話されました。それをお聞きして本当にうれしく思いました。

今回もまた良い出会いをさせて頂けたと思っています。どうもありがとうございました。この栃（トチ）のこたつ座卓が家族の中心に置かれることに幸せを感じています。

記憶が定かではありませんが、K様が初めて当工房にお越しになったのはもう1年近く前のことだったと思います。無垢一枚板のダイニングテーブルを探しているとのことで、お話をさせていただきました。その時はそのままお帰りになり、それから時が経つと共にこの話は立ち消えになったと思っていました。ところが、今年の3月に再びご夫婦でお越しになり、いきなり正式に注文したいとのお話をいただきました。びっくりすると共に大変嬉しく思いました。

ちょうど工房に在庫で持っていた大きな栃（トチ）の無垢一枚板を見て頂き、気に入って頂けたので、それで制作することになりました。また、一緒に栃（トチ）無垢一枚板板脚ベンチもご注文いただきました。この板はもう10年以上も前に私が気に入って買っていた板で、幅が1m、長さも2m40cmもあるような大きな板です。

実際に制作にかかってみると想像以上に素晴らしい木目が現れ、また乾燥も十分なせいでしょう（10年以上の期間工房に置いてあったのですから）、全く狂いの無い良い板でした。

完成しましたのは予定より遅れ9月でしたが、長い間気長にお待ちいただき、加えて大変喜んでいただけたことをうれしく思います。納品の時、（普段はご夫婦お二人でお暮しのようですが）子どもさん一家が来た時のために大きなテーブルを注文したのですと嬉しそうに言われ、その時を本当に楽しみにしておられることが伝わってきました。また早速ベンチに腰掛けて、このテーブルでおいしそうにお茶を飲んでおられる姿を見て「ああよかったな」と思ったものでした。

これからもご家族でテーブルを囲みながら楽しい時を過ごしていただければ、私も本当にうれしいです。ありがとうございました。