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「ようやく、秋」
2024.10.03
ヒガンバナ季節感の優等生であったヒガンバナが、今年はようやく咲きました。例年より2週間ほど遅いです。そのくらい今年は異常気象だったということです。
畑そして、忙しくてなかなかできず気になっていた畑仕事も、なんとか秋冬野菜の植え付けに間に合わせました。
畑ダイコン、カブ、キャベツ、レタス、ほうれん草、正月菜、そして白菜、ナバナなどの種をまいたり、苗を植えたり…。
畑ネギや玉ねぎの種も撒き、イチゴの苗の仮植えも出来ました。そして、本当はもっと早くすべきでしたが、ようやくネギの伏せ直しもしました。
畑ネギの伏せ直しですが、私はいつもネギの苗を2本づつまとめて並べて植えています。その理由は特にありませんが…というか、昔私の祖母がそういうやり方を教えてくれたからです。

その時にそうする理由も聞きませんでしたので、いまだに分かりません。(というか、はっきりは分からないと言うべきですね。多分ですが、2本まとめて植えることでどちらかがダメになったときに片方が生きるということではないかと思ったりしています。)

でも、きっとそうするのには何かわけがあるのだろうと思います。いろんな事柄で昔から伝わっているものには、そういうことが多いと思います。「理由がわからないからやめる」などと言わずに「まずはやってみる。そしてその結果を見る」というのが大事なのだと思います。先人の知恵や経験値から来るものを侮ってはいけません。
誕生祝い話は変わりますが、先月は私の60?回目の誕生日でした。
誕生祝い息子たち家族は都合が合わずいませんでしたが、娘たち家族が来てくれてお祝いをしてくれました。つくづく幸せを感じております。
クルミのカウンター収納棚クルミのカウンター収納棚さて仕事の方ですが、兵庫県尼崎市のお客様の胡桃のカウンター収納が完成し、納品をしてきました。
クルミのカウンター収納棚クルミのカウンター収納棚高校生の息子さんが手伝ってくれて搬入も無事済みました。息子さんたちも嬉しそうで良かったです。
そして現在ですが、もうすぐふるさと納税の時期に入るので、その準備のためにカッティングボードを量産しておかなければなりません。また、ちゃぶ台の注文も入っているので、それも…。そうこう言っているうちに、また次の注文が…。

もちろんそういう仕事も優先的にしていきますが、実は以前書いたこともあります「あるプロジェクト」を、ようやく開始しようと始めたところです。それはまたいずれ書くこととして、いずれにせよ相変わらずやることがいっぱいの今日この頃でした。
「胡桃(クルミ)のカウンター収納」
2024.09.13
真夏が戻ってきたような暑さが続いています。この時期にこれだけ暑いと体がこたえます。

木工房の畑仕事も相変わらず忙しいですが、他にもやらなければいけないこともあります。畑もその一つです。そろそろ冬もの野菜の準備をしないといけません。

しかし、ずっと畑に出られず放置しておいたので草がボーボーになっています。
木工房の畑まずは、とりあえず必要なところだけでも草引きをして、耕し、秋冬野菜の植え付けができるようにしていきます。

朝7時から3時間ほどかかりましたが、とりあえず草引きをしました。
クルミのカウンター収納棚クルミのカウンター収納棚さて、仕事の方ですが…胡桃(クルミ)のカウンター収納の制作も佳境に入ってきました。

前回に引き続き、仕上がった部材にサンディングをして、塗装をしていきます。今回もまた組み立てる前に、部材の段階で塗装をします。
収納棚の塗装収納棚の塗装一日たって、一部の組み立てをし、さらにまた塗装を続けます。
本体の組み立て本体の組み立てそして、塗装が乾いたら本体の組み立てへと進みます。

まずは第一弾の組み立てです。
裏板の加工合間を縫って、残りの部材の加工をしていきます。裏板の加工です。

鉋で削って、仕上げ、さらに塗装へと進みます。
本体の組み立て本体の組み立て第2弾の組み立てです。全体の形が見えてきます。
裏板のはめ込み裏板のはめ込み仕上がった裏板もはめてみます。裏板は取り外しができるように作ってあります。
クルミのカウンター収納棚クルミのカウンター収納棚あとは引き出しの作成、天板の制作、棚板の制作を残すのみとなります。
引き出しの制作引き出しの制作棚引き出しの制作です。あられ組みで箱を汲んであります。鉋で削って仕込みます。

この後、前板を加工して取り付けます。
天板の制作天板の制作天板の制作に移ります。2枚接ぎの天板です。

雇い実接ぎ」と「ビスケットジョイント」を加工していきます。
クルミのカウンター収納棚接着剤を塗って、はたがねで締め付け、一昼夜放置します。
鉋仕上げ接着剤が乾いたら所定の長さ、幅にカットし、鉋掛けをして仕上げます。

天板も出来てきました。もう少しで完成です。
「標準化ということ」
2024.09.05
クルミのカウンター収納棚尼崎市のお客様の、胡桃(クルミ)のカウンター収納棚の制作が進んでいます。

前回に引き続き、接ぎ合わせをした板を所定の厚みに削り、所定の幅、長さにカットします。
鉋掛け鉋掛けそして、ここで鉋掛けを行います。理由は、後からだと反ってしまって鉋掛けがしにくくなるからです。
クルミのカウンター収納棚加工をしない時は、こうしてクランプで挟んで反らないようにして置いておきます。
部材の木取り本体を構成する部材の木取り、木作りをしていきます。
ほぞ穴あけほぞ穴あけ板にほぞ穴をあけます。
ここで一つ業界の人にしかわからない話をします。(難しいので飛ばしていただいて結構です。)

特に箱物家具などは部材の数も多く、一つの家具を構成している部材は何十個、いや何百個にもなると思います。そんな多くの部材の一つ一つのサイズや、ほぞの大きさ、ほぞの長さなどそれぞれ違っているので、間違えないようにするのは結構難しいです。

かといって、一つ一つの部材ごとに図面を書いたり、表を作っておいたりするのは大変です。ですから、通常はすべて頭の中に記憶していくのです。ですが…人間のことですから、やはり間違えることも多くなります。

そこで、できるだけそういう間違いを起こさないようにするために、間違いが少なくなるような方法を我々は考えます。どうするかと言うと…簡単に言えば、すべてをばらばらのサイズにせず、出来るだけ同じサイズになるように考えて加工をするのです。

例えば、ほぞ穴の幅はすべて同じ9.5mmに統一するとか、ほぞの長さも同じにするとか…そうすることによって、同じセットで多くの部材の加工を同時に進めることが出来、間違いも少なくなるのです。(もちろん、そういかない部分もありますが…。)

こういう風に同じサイズにして加工していくことを、我々は「加工の標準化」と呼んだりします。
ほぞ加工具体的に見ていきます。ほぞの長さですが、まずはこのように同じ長さで加工します。
ほぞのカットそして、その後で短い長さの物は短くカットします。
開ける位置例えば2枚ほぞですが、このように開ける位置が違ったりします。
同じピッチでも、同じピッチであけることを考えます。

このようにスペーサー(この時は厚み21mmの板をスペーサーとして挟みました)を置くことによって、位置が違っても同じピッチであけることができます。。

位置が違うからと言って、いちいちずらして加工していては時間もかかりますし、後で間違いも多くなります。このように加工を標準化することによって出来るだけシンプルにし、早く、間違わないように加工を進めていくことができるのです。
実はこの話(標準化ということ)、我が息子の新居の建設の時にも感じたのです。息子が選んだ工務店ですが、いろんな意味で非常に良い工務店だと思っています。その工務店がまさにこの「標準化」の考え方で家を建てているなと、私から見てそう見えたのです。

例えば柱。よくあるのは太い柱や細い柱、例えば4寸角(120mm)や3.5寸角(105mm)を混在して使っている工務店が多いですが、この工務店は(主要な柱は)すべて4寸角で建てています。

あるいは床板。楢(ナラ)のフローリングですが、家じゅうすべてが楢(ナラ)のフローリングです。例えば小上がりの下の床などは見えなくなるところだから、多くの工務店は合板にしたり安い材料にしたりしますが、ここはそういうところまで(見えなくなってしまうところまで)すべて楢(ナラ)のフローリングです。

一見、材料代が高くなるから価格も高くなるように思えますが、実はこういう風に同じサイズの物を使ったりすることによって加工は無駄を省くことができます。その分、加工手間が省けて人件費が安くなります。こういうのもいわば「標準化」という考えだと思います。

話が脱線しましたので、戻します。
カウンター収納の組み立てカウンター収納の組み立てさて、胡桃(クルミ)のカウンター収納ですが、ここで一度組み立ててみます。

上手くいきそうです。ここからさらに部材を追加して加工していきます。
可動棚の穴可動棚の穴もあけます。
追加の部材追加の部材もだんだんと出来ています。
こうして、おおかたの部材の加工が終わったので、また一度組み立ててみます。
仮組み立て 仮組み立て 仮組み立て
溝加工引き出しの摺り桟や底板の入る溝、裏板の入る溝なども加工が終わっています。
溝加工 溝加工 溝加工
鉋掛け大方の部材ができたので、すべての部材を鉋掛けします。
サンディングそして、この後サンディング、部材ごとに塗装へと入っていきます。

その後で組み立てとなります。まだもう少しですが、先は見えてきた感じもします。
「いろいろあった夏」
2024.08.29
引き出しの加工横浜市のお客様の「楢(ナラ)の書斎机」は完成し、すでに納品も終わりました。

まずは前回の続きで、引き出しの加工から…引き出しの部材に鉋掛けをします。
引き出しの加工そして、面取りなどの仕上げをして組み立てをします。

直角定規をあててゆがみが無いか確かめ、修正して1、2日放置し、接着剤の乾くのを待ちます。
引き出しの仕上げ引き出しの仕上げ接着剤が完全に乾いたら、引き出しの仕上げです。

全体に鉋掛けを行い、本体に仕込みをします。少しづつ削っては合わせていきます。
引き出しのつまみつまみも作ります。木工旋盤での作業となります。
天板仕上げ天板の仕上げをします。前面は蛇腹面に仕上げます。「内丸鉋」という鉋を使って削ります。
吸い付き桟本体に組み込みます。前々回の里山だよりに書きましたが、本体と天板は「吸い付き桟」で組み付けてあります。
机の組み立て組み込んだ後の穴も塞いでおきます。
蛇腹面天板の前面、方立板の前面は緩やかな蛇腹面となっています。
端嵌め加工扉も加工が終わりました。今回は全体のデザインを考えて、板状の扉にしました。反り止めの「端嵌め(はしばめ)」が加工してあります。

これを蝶番で取り付けますが、この作業がなかなか地味に難しいです。特に右側の扉は、右利きの私にはやりにくくて結構苦労します。
扉の取り付けなんとかうまく取り付けられました。
部材の塗装部材の塗装そして、すべての部材を塗装します。
机の引き出し机の引き出しオイルが乾いて、完成です。引き出しの「天秤指し(蟻組み)」もきれいにきまりました。
机の戸棚可動棚扉を開けると可動棚になっています。
机の裏板裏側には栗材が嵌めてあります。搬入の軽量化を考えて、あとからはめ込めるように作ってあります。
手作りのつまみシンプルながら、手作りのつまみです。
楢(ナラ)の書斎机楢(ナラ)の書斎机かくして完成し、横浜市まで納品に行ってきました。大変喜んでいただけて良かったです。

「家具一つで空間がこんなに変わるものなんですね!」とお褒めをいただきました。
仏壇を置く棚この机は仏壇を置く棚としても使われます。オーダー家具ならではのジャストサイズの家具です。
ちゃぶ台リピーターのお客様で、これまでに「こたつ座卓」「ダイニングセット」「ちゃぶ台」などを作らせていただきました。

さながら半布里工房のギャラリーのようです。
クルミのカウンター兼収納棚そして、現在は尼崎市のお客様の「胡桃(クルミ)のカウンター兼収納棚」の制作に入っています。

まずは木取りから始めます。天板用、方立板用の材料を木取りします。
手押し鉋盤手押し鉋盤で片面を平面に削ります。
自動鉋盤自動鉋盤自動鉋盤で両面を削っていきます。
接ぎ合わせ接ぎ合わせ接ぎ合わせ作業に入ります。ビスケットジョイントで接ぎ合わせていきます。
部材の木取り本体を構成する部材の木取りもしていきます。
箱物制作それぞれの厚みや長さを間違えないようにペンで書いてあります。

このところ箱物制作が続いています。箱物は部材が多く手間がかかりますが、その分完成したときの達成感もあります。
さて、8月末になり、いよいよ夏も終わりです。相変わらず残暑は厳しいですが…今年の夏はいろんなことがあり、大変あわただしかったです。史上最高に暑い夏でしたが、そんな暑さにへこたれている暇もないほどでした。仕事では大阪へ、横浜へと納品が2つありました。

プライベートでもいろいろありました。息子の家はすでに6月に完成しましたが、今度は娘の家の上棟がこの夏にありました。そしてお盆…結局、毎日仕事はしていたのですが、子供たちも孫を連れて来たのでバーベキューなどをして楽しみました。
家族との団らん家族との団らん家族との団らん
そして最後に大きな行事が…タイからお客様7人をお迎えして、3日間過ごすことになりました。もともとは息子が学生時代にお世話になり、その後私たちもタイへ訪問し、大変お世話になったので、今度は逆にお世話をする番ということで…。

白川郷まずは関西国際空港までお迎えに行きました。回転寿司などを食べていただき、家に着いたのは夜中の2時を過ぎていました。

翌朝は「白川郷へ行きたい」と言われるので、朝寝をゆっくりしている暇もなく、行ってきました。
タイからのお客様白川郷から帰ると私たちは休む間もなくバーベキューの準備に取り掛かりました。雨に降られましたが、何とか楽しんでいただけました。

そして、その後も楽しい宴は続きました。
泊まるのは息子の新居の方ですが、朝ご飯は私の母屋の方でしていただきました。母屋の方はより日本らしい作りで、障子や床の間、仏壇、そして仏壇に飾ってある鎧兜の飾り(孫の節句のお祝い)など、珍しがって喜んでいただけました。

できるだけ日本の朝食をと思い、みそ汁や目玉焼き、卵焼き、天ぷら、そうめんなどをお出ししました。納豆は最初から苦手のようなのが分かっていたのでやめました。

日本の朝食日本の朝食びっくりしたのは、皆さんきれいに全部食べてしまわれることで、食べ残しはありませんでした。さすが仏教国タイの人。それがエチケットなのでしょうね。
食品サンプル制作翌朝は郡上八幡へお連れしました。小京都と言われる郡上八幡の街を歩いたり、郡上八幡城へ登ったりしました。食品サンプルの制作体験も楽しんでいただきました。

そして、その足で京都までお送りしました。とてもいい人たちばかりでお別れするのは寂しかったですが、「see you next in Thai!」(or Newyork?)ということで再会を約束してお別れとなりました。
タイからのお客様3日間とてもハードで、たいへん疲れましたが、本当に楽しかったです。何より借りが返せた気がして、よかったなと思いました。

またいつか会える日を楽しみにしています。
「とっておきの…」
2024.08.09
ナラの書斎机横浜市のお客様の楢(ナラ)の書斎机の制作が進んでいます。

組み立てた引き出しの棚口板と摺り桟に鉋をかけて、面一にします。
桂の良材ここで引き出しの部材の木取りをしておきます。前板はもちろん楢(ナラ)ですが、内部の側板と向こう板は今回も「桂」を使います。一般的にこの部分に使われる材料は、外材(輸入材)であったり、シナなどの材料が使われることが多いです。流通量が多いからです。

国産材で言うとホオなどであれば良い方です。しかし、国産材は年々入手が難しくなっています。特に今回使用している「桂」などはもうほとんど入手が難しくなっています。

昔はよく使われたもので、私が工房を初めた20数年前はまだ入手は可能でした。しかし、今はどの材木店に聞いても「無いねぇ」と言われます。そんな貴重な桂材を在庫で持っていましたので、前回のウォールナットの書斎机に引き続き、今回も使用しています。いわば「とっておきの」材料です。

実は、最近私は工房に在庫の「とっておきの」材料を使うようにし始めました。理由はもちろん、もういつまでもとっておいても仕方がないからです。もうばりばり作り続けられるのはあと10年ぐらいかなと考えた時、そろそろ在庫の材料を使っておこうと考えるようになったからです。今回の桂材や前々回の山桜の円卓に使用した山桜材などもそうです。
いい材料まだいい材料もあるんです。ですから、皆さん今ならいい材料でお作りすることができるかも…。
サンディングサンディング話を戻します。完成した部材にサンディングをします。いつもながら水引き研磨まで行います。
部材の塗装部材の塗装そして、今回もまた部材の段階で塗装をしておきます。組み立てをしてしまった後からでは、内部などの塗装はしにくくなるからです。
組み立て組み立てそして組み立てに入りますが、今回のような箱物は何回にも分けて組み立てをします。

まず第一弾の組み立てです。
組み立て引き出しの内部ですが、摺り桟の奥はあえて接着剤を付けずに組んであります。

それは、方立て板が無垢板なので伸縮することになりますが、その時に自由に動けるようにするためです。
天秤指し天秤指し組み立てを進めている間に引き出しを作っていきます。今回もまた「天秤指し」を加工します。
引き出し引き出し引き出し5杯分、結構大変でしたが出来ました。
仮組み仮組み一度組んでみます。なんとかうまくできたようです。
本体の組み立てそして、また本体の組み立てに戻ります。第2弾の組み立てです。
組み立て組み立てそして第3弾の組み立てです。これで全体の形が見えてきました。
搬入のための軽量化まだ天板は取り付けてありません。裏板も後から入れ込むように作ってあります。

それは、搬入時に軽量化を図るためです。
あられ組引き出しの方は、奥側のあられ組を加工します。
引き出しの加工引き出しの加工こうして、引き出しの方の加工も進んでいます。あとは鉋掛けをして仕上げて組み立てます。

そして引き出しの仕込みに入ります。最終段階に入ってきました。
「ナラの書斎机」
2024.08.05
連日猛暑が続きます。工房の中もどうしようもないぐらい暑いです。どうにか午前中(13時ごろまで?)は仕事もできるのですが、午後になると外の方(外も38度ぐらいにはなりますが…)が涼しいぐらいで、夕方になってもまだ熱気がこもっていて抜けません。仕事には辛い環境です。

でも、そうも言ってられないので、何とか扇風機にあたりながら水分を取りながら仕事をしています。
ナラの書斎机さて、その仕事の方ですが、横浜市のお客様の楢(ナラ)の書斎机の制作が進んでいます。

今回は板指しの方法で躯体を構成するので、まずはたくさんの板接ぎ作業です。
板の接ぎ合わせとにかく、ひたすら板を削って接ぎ合わせをしていきます。

接ぎ合わせは「雇い実接ぎ」と「ビスケットジョイント」を併用しています。
天板の接ぎ合わせ天板も同じく接ぎ合わせです。
鉋がけ その後1日〜2日置いて接着剤の固まるのを待ちます。

そして、今回はここですべての板を鉋がけしておきます。板なので、制作の過程で反ってくることが考えられ、そうなると後からは鉋掛けがしにくくなるからです。今ならまだまっすぐなので鉋掛けしやすいからです。
鉋がけ鉋がけ とはいえ大きな板…しかも楢(ナラ)材は固いので、鉋掛けは結構大変です。

ただ、今回使用している楢(ナラ)材は運よく国産の良材が入手出来たので、素性もよく鉋掛けは比較的スムーズに出来ました。
幕板や棚口板板と板をつないでいく幕板や棚口板などの部材も、木取りをしていきます。
一般的には天板と本体は裏側からネジなどを使って留められることが多いですが、今回は(前回のウォールナットの書斎机と同様に)方立て板を吸い付き桟として天板に組み付けることにしました。一つはネジに頼って留めるのでは心もとないこと、そしてもう一つは天板の反り止めとするためです。
吸い付き桟の加工吸い付き桟の加工天板の裏に吸い付き桟の蟻溝を加工します。
吸い付き桟の加工方立て板の方に吸い付き桟加工をします。
吸い付き桟の加工吸い付き桟の加工少しづつはめては外して、ぴったりと合うまでこの作業を繰り返していきます。
部材加工次に、幕板や棚口板など部材を加工していきます。大きな板へのほぞ穴あけはひと工夫が要ります。
ほぞ穴開け方立て板5枚分のほぞ穴開けが終わりました。これに合わせて幕板などのほぞ加工を進めます。
板の反り予防ところで…先にも書きましたが、板については何日もかけて制作する中で反っていく可能性もあるので、少しでも反りが出ないようにするために、使わない時はこんな風にクランプで挟んで置いておくことにしました。

いちいち面倒ですが、仕方がありません。
とりあえず、ここまで出来た部材で一度組み立てをしてみます。天板も上に置いてみました。
仮組み立て 仮組み立て 仮組み立て
部材加工かくして、本体を構成する部材は引き出しを除いて大体加工が終わりました。
部材加工方立てに可動棚の穴をあけます。
蛇腹面方立ての前面はゆるい「蛇腹面」を取っておきます。
鉋掛け鉋掛けここまで出来たすべての部材に鉋掛けをします。
組み立てそして、ここでまずは第一段階の組み立てをしておきます。棚口板と摺り桟の組み立てです。

接着剤が固まったら、またこのあと鉋掛けを行います。引き出しがスムーズに動くようにするためのひと手間です。
ここまでは問題なく進んでいます。このあと仕上げ、部材塗装、組み立て、そして引き出しや扉の加工へと進んでいきます。箱物はこんな感じで結構手間がかかるものです。
「ウォールナットの書斎机納品しました」
2024.07.22
工房の野菜工房の野菜「いらっしゃい、いらっしゃい。半布里工房の野菜。おいしいよ〜」

半布里工房、農園部から毎日たくさんの野菜が取れてきます。食べきれません。
ウォールナットの書斎机ウォールナットの書斎机さて、工房では大阪府のお客さまの「ウォールナットの書斎机」が完成しました。

前回に引き続きですが、引き出しの制作です。部材に墨を入れます。「ケヒキ」と言う道具を使っていたに線を入れます。
次は、蟻組みの割り振りを自作の道具を使って墨をします。とにかく美しい仕上がりにするためにはこの「墨付け」作業がとても大事です。寸分の狂いもなく印をつけていきます。
墨付け 墨付け 墨付け
引き出しの加工鋸を使って墨線に従って切り込んでいきます。
引き出しの加工墨外(すみそと:墨線の外側と言う意味)を、正確に切り込んでいきます。
蟻組み蟻組みこうして天秤指し(蟻組み)の、のこぎり加工が出来ました。このあとノミで落としていきます。
天秤指し天秤指しこうして、天秤指しの加工が終わりました。
引き出しの仮組念のために一度組んでみます。なんとかうまくいったようです。
あられ組引き出しの奥の方は、「あられ組」(あるいは「石畳組み」)と呼ばれる加工をします。
天板の塗装引き出しの組み立てをし、接着剤が乾くのを待つ間に、天板の方の塗装をしておきます。
自作の取っ手それと、引き出しの取っ手も自作します。今回は木工旋盤で小さな取っ手を作ります。
手作りのつまみ細かい部分はノミで…手作りのつまみです。
鉋掛け鉋掛け引き出しの仕上げにかかります。まずは鉋掛けです。全体をきれいに鉋掛けします。
引き出しの仕込みそして、引き出しの仕込みです。本体にはめ込んでみて、少しづつ削って合わせていきます。
引き出しの仕込み引き出しの仕込みぴたーっと合うところまで、何度も出し入れを繰り返して削り合わせていくのです。
塗装仕上げ塗装仕上げそして、いよいよ塗装をして仕上げです。

本体のウォールナットと引き出しの桂(内部の板)との色の違いがいいアクセントになります。
塗装仕上げ 塗装仕上げ 塗装仕上げ
天秤指しも、とてもうまくいきました。
天秤指し 天秤指し 天秤指し
書斎机の裏側裏側もしっかり作ってあります。
つまみつまみにも手作り感が…。
ウォールナットの書斎机今回は大変良質なウォールナットの板が入手出来たので、いい色合いの書斎机になりました。
ウォールナットの書斎机すでに大阪府のお客様の元へ納品も終わりました。とても喜んでいただけて良かったです。
りんくうタウンちなみに、すぐそばに関西空港があります。実は来月末に外国からのお客様8人をお迎えに関西空港へ来なければならないので、ちょっと下見に「りんくうタウン」まで行ってきました。

目の前に海と橋、そしてその向こうに関空が見えました。良いリハーサルにもなりました。
こうして、ようやく「ウォールナットの書斎机」も終わったと思いきや、息つく間もなく次の仕事である横浜市のお客様のナラの書斎机の制作にかかっております。

このところまた猛暑が続いています。工房内は40度に近い温度です。熱中症にだけは気を付けて頑張ります。
「ウォールナットの書斎机」
2024.07.11
工房の野菜毎日たくさん取れる野菜を、孫が喜んで食べてくれます。
子供椅子密かに定番で作っている「子供椅子」ですが、結構手間がかかるので、これまであまり宣伝はしてきませんでした。

しかし、孫が出来て、3人の孫それぞれに作ってあげると、これが意外に(?)好評でして…聞くといつもこの椅子に座っているとか。

また、この椅子を押して歩いて、歩行の練習にもなってるようで…やはり木の触り心地、座り心地がいいのでしょうか?それにベニマツ製なので、軽くて持ち運びやすいから?

いずれにせよ、孫たちのおかげでこの椅子の良さを見直したというわけであります。これから、ちょっと力を入れて売っていこうかなと思っています。
ウォールナットの書斎机そして、工房では大阪府のお客様のウォールナット書斎机の制作中です。また、新たに追加制作した部材も鉋仕上げしていきます。
ウォールナットの書斎机ここまでの部材すべてをサンディングして仕上げます。
摺り桟引き出しの摺動部(摺り桟)は、いったん仮に組んででから鉋掛けします。

「目地払い」と言って、引っ掛かりなく入るように面一(ツライチ)にしておくのです。
書斎机の塗装書斎机の塗装そして、すべての部材を塗装しておきます。

組み立ててからでは(引き出しの内部とか)塗装がしにくいので、部材ごとに塗装をするのです。
摺り桟の組み立て組み立てにかかります。箱物の場合、部分ごとに何回にも分けて組み立てを行っていきます。

これは引き出しの摺り桟の組み立てです。
引き出しの組み立て引き出しの組み立てそして、側の部分や中に入る部分を組み立てます。
引き出しの組み立て右側の部分だけを組み立てました。
引き出しの組み立けそして、全体の組み立てです。
天板と本体の組み立て天板と本体の組み立て接着剤が完全に乾いて固まりました。ここで天板と本体を一度ハメてみます。

「うまく入るかな?」…緊張します。
天板と本体の組み立て天板と本体の組み立うまくいきました。ほっとしました。
ウォールナットの書斎机ウォールナットの書斎机書斎机の形になってきました。
書斎机本体書斎机本体こうして、本体の方は完成しました。
天板仕上げ天板の仕上げです。前部は「蛇腹面」に加工します。内丸鉋で削ります。

天版を仕上げて、引き出しを作って…あともう少しです。
「学生さんの工房見学」
2024.07.04
工房見学工房見学先週の土曜日、学生さんたちが4名、工房を見学に見えました。工房とショールームで場所を変えて、一通り説明をしました。

当工房が無垢の木や手仕事、伝統的な工法にこだわっていることなどを説明しました。最近人口衛星で話題になった「留め型隠し蟻組み接ぎ(※)」や「寄せ蟻」など、現物を見せて説明しましたが、大変感動していただけました。

※つい先日のこと当工房のホームページアクセスが急激に増えたので、ホームページの管理会社の方に聞いたところ「それは人工衛星のせいですよ(笑)」と言われました。どうやらJAXAが次の人工衛星を木造のもので作ったらしく、その制作技術に「留め型隠し蟻組み接ぎ」が使われていたのだそうです。

それで沢山の人が「留め型隠し蟻組み接ぎ」をネットで検索したところ、当工房が一番にヒットするので多くの方の目に留まったということだそうな…。実際に、その後当工房にもその件で訪ねて来られたお客様がいたぐらいです。

彫刻作業彫刻作業その後、工房へ戻り、簡単な木工体験として「木の皿」作りの一部、彫刻刀で模様を彫ることを体験してもらいました。
木工体験木工体験「夏休みには体験は無いのですか?」と聞かれたので、私が「今のところ考えてない」と言うと「あれば絶対来るし〜〜!」などと、まぁまぁ好評でした。
木工体験机その後、前回来られた学生さんからinstagramでメッセージももらいました。

「佐藤さん、お久しぶりです。いつも陰ながら素敵な投稿やストーリーを楽しみにさせて頂いております。今年も体験に伺う生徒がいると聞いていて、チームメンバー一同で羨ましい〜!とお話しておりました。

昨年の半布里工房様での鉋削り体験等、佐藤さんに頂いた貴重なお時間に感銘を受け、今年は道の駅の改善提案にて富加町の更なる発展のお手伝いができればと携わらせて頂いております。

これからも富加町には大変お世話になりますので、是非また半布里工房様にお邪魔させて頂きたいです!その時は何卒よろしくお願いします!」

学生さんなのに(毎回)大変しっかりしたメッセージで、感心しました。若い人たちのこれからのキャリアに少しでもお役に立てればいいなと思います。

ウォールナットの書斎机ウォールナットの書斎机さて工房では、大阪府のお客様の「ウォールナットの書斎机」の制作が進んでいます。

天板を接ぎ合わせます。今回もまた「隠し雇い核接ぎ」と「ビスケットジョイント」のダブルで接ぎ合わせします。
書斎机の天板接着剤が完全に乾いたら、所定の大きさにカットします。
天板の鉋掛け天板の鉋掛けそして裏表共に鉋掛けをします。
吸い付き残吸い付き残天板と脚部の組付けは、脚部の側の幕板を吸い付き残として組み付けることにします。

今回はその「吸い付き残」の加工です。まずは天板の裏に蟻溝を加工します。

この加工は脚部を組み立てた時にピッタリと距離があっていなければならないので、「超」がつく精度の高さを求められる加工になります。

1mm…いや0.5mmずれたら合わないのではないでしょうか。許容範囲は0.2〜0.3mmと言ったところでしょうか?緊張します。
蟻加工次に、その溝に合わせて幕板に蟻加工を施します。
吸い付き残吸い付き残慎重に少しずつ合わせていきます。
吸い付き残とりあえず吸い付き残加工が終了しました。ぴったり合うことを祈ります。
鉋掛けここまでの部材にひとまず鉋掛けをしておきます。そしてまだまだ制作は続きます。
ズッキーニ突然話は変わりますが、こんなのができちゃいました!
ズッキーニ「何?これ」「へちま?」…いや、ズッキーニです!

畑で葉の陰に隠れていて気付かずに何日か放っておいたらこんなに大きくなっていました。
ズッキーニ他の野菜と比べると、その大きさがよくわかります。お化けズッキーニでした。
「夏野菜の季節到来」
2024.06.28
山桜2枚接ぎ円卓山桜2枚接ぎ円卓制作中だった山桜2枚接ぎの円卓は完成しました。

削ってみたら中からたくさんの割れが出てきて、なかなか大変でしたが、それに増しても味のある木目と色合いの一枚板だったのでなんとかモノにしようと頑張りました。

山桜2枚接ぎ円卓山桜2枚接ぎ円卓すでにお客様宅に納品も終わりました。趣のある土蔵風の離れに置かれて、この円卓も場所を得たように輝いていたと思います。

現場で寄せ蟻の組み立てをお見せしたら、大変喜んでくださいました。
そして、引き続き大阪府泉佐野市のお客様の「ウォールナットの書斎机」の制作にかかっています。

ウォールナット書斎机まずは部材の加工を進めます。今回のお客様のご希望が「可能でしたら普通の…といいますか、あまり特徴の無い木目のものでしたら嬉しいです。特徴のあるうねった木目が好きな方もいらっしゃいますが、僕はどちらかというと地味なほうが好きでして…」ということでしたので、ほぼ柾目の素直な感じのウォールナットを使っています。

しかし、色合いがとても良い良材です。

ウォールナット書斎机ウォールナット書斎机まだまだ途中ですが、一度組み立ててみます。

そしてまた、部材加工を進めていきます。
さて、梅雨の時期に入りましたが、畑では夏野菜が育っていて、毎日その恵みを頂いております。

6月16日になりますが、ジャガイモの収穫をしました。今年は3月に寒い日が多かったせいかあまり成長が良くなくて、今年は不作かなと思っていました。少し前から数回試し掘りもしましたが、小ぶりのものが多く「やはりか…」と思い、ニュースでも今年はジャガイモが不作だという報道を耳にしていたので少しあきらめ気味でした。

それでも、少しでも大きくするためにギリギリまで粘り(あまり粘ると肌が汚くなったり腐ったりするので難しいですが)、ようやく16日に収穫しました。

すると、不作どころか大きいものが多く、うちで言うところのLサイズ(野球ボールより大きいサイズ)以上がたくさんあって、収量も例年以上で、結果豊作でした。

ジャガイモ1年で一番楽しみにしている収穫行事なので、安堵しました。めでたし、めでたし。

親戚にやる分を取っておいて、あとは野菜冷蔵庫にしまっておきました。
トマトトマト他の野菜も今のところ順調です。トマト、ミニトマトは私の頭を超えるぐらい大きく伸びて、実もいっぱいついています。
トマト夏野菜すでに赤くなったものもあり、早速いただきました。やはり甘くて、何よりスーパーで売っているものとは違い、実がしっかり詰まっています。おいしいです。
ナスシシトウナスやシシトウも元気に育っています。すでに私の胸当たりの高さにまで伸びるほど株が大きくなっています。

特にナスは「肥料食い」と言われるほど追肥をこまめにしなければいけません。ときどき花をチェックして肥料が足りているかどうかを見ています。

ナスシシトウこちらもすでに毎日のように食卓に上がっていますが、旬の味です。おいしいです。

特にシシトウは、食欲が落ちる夏にはもってこいの食材です。
スイカすくなカボチャスイカとすくなカボチャは空中栽培をしています。広く這わせるほど場所にゆとりがないからです。でも、なんだかいい感じに実も付いています。
すくなカボチャすくなカボチャ空中栽培のいいところは地面についていないので汚れにくく、空気が良く通るので蒸れにくく、病気にもなりにくいのではないかと思います。
キュウリキュウリキュウリは、今年も毎日ぞくぞくと取れ続けています。朝数本収穫すると、夕方には朝少し細かったものがすっかり大きくなっているのでまた2〜3本…という感じです。
夏野菜取れすぎるので、すでに妻は2回キュウリのキュウちゃんを作りました。(1回に10sほどの量を使います。)そして、知り合いに分けてあげています。
ズッキーニズッキーニも今のところ順調です。こちらも食べきれません。キュウリと同じです。朝小さかったものが、夕方にはすっかり大きくなっています。

ズッキーニは「焼いてもよし、煮てもよし、炒めてもよし、揚げびたしにもよし、サラダにしてもよし」…すごく便利で、美味しい野菜です。食べきれないのでほしい人はあげます。
夏野菜そのほか、オクラ、バジル、キャベツ、モロヘイヤなどもいただいております。
jagar's garden話は変わって「jagar's garden」です。桔梗とイングリッシュラベンダーがとてもきれいです。桔梗は植えて4〜5年目になるでしょうか。年々株が大きくなり、次から次へとすでに1ヶ月ほど花を咲かせ続けています。
グロッソラベンダーイングリッシュラベンダーは「グロッソラベンダー」と言います。すごいボリュームで花が咲いています。今年はまた株分けを考えなければいけないかもしれません。
アジサイアジサイアジサイアジサイは今や盛りから、少し峠を過ぎたところという感じかな?
エキナセア夏の花エキナセアも咲いています。
jagar's gardenjagar's gardenまた、花ばかりではなく、今年はビオトープや鉢にメダカ、ドジョウ、ヌマエビが泳いでいますし、息子たちが捕まえてきたイモリもいたりします。

子ども、孫が一緒に住むようになって、ますます楽しくなった我が「jagar's garden」であります。
「山桜2枚接ぎ円卓 その2」
2024.06.13
寄せ蟻加工前回に引き続き「山桜2枚接ぎ円卓」の制作です。天板の裏側に「寄せ蟻」の加工をします。

まずはルーターで(最初はストレートビットを付けて荒掘りを行い、その後蟻ビットに変えて)蟻桟を加工します。
寄せ蟻加工次にトリマーという電動工具を使って、落とし込みの穴を作ります。
寄せ蟻加工こうして、寄せ蟻の穴の方の加工を終わりました。
寄せ蟻加工次に、その穴(溝)にピッタリ合うように雄木の方を加工します。

少しづつ少しづつ、ちょうど良いきつさになるように、何度もハメては外し、ハメては外し…を繰り返して加工していきます。
寄せ蟻加工寄せ蟻加工強く叩き込んではまっていくような、ちょうど良いきつさに加工が出来ました。
ほぞ加工ほぞ加工脚部の部材のほぞ加工をしていきます。そして、すべての部材に鉋がけをして仕上げます。
鉋仕上げ鉋仕上げ脚端の飾りを、ノミや際がんなを使って手仕上げしていきます。
鉋の削り跡削り跡はあえてそのまま残します。
サンディング仕上げ脚部の部材をサンディングして仕上げます。
脚部の組み立て組み立てです。ほぞの嵌め合いがきつすぎてもゆるくてもダメです。

ちょうど良いきつさの嵌め合いであれば組み立てもスムーズにいきます。
脚部の組み立て脚部の方は完成しました。
天板仕上げ天板仕上げ天板の方の仕上げに入ります。側面にも割れ(水割れなど)がありますので、触ってけがをしないように樹脂を埋めます。

深くまで入り込んでいるので、樹脂埋めは2〜3回に分けて行います。
天板仕上げ天板仕上げ天板仕上げ側面を鉋で削って仕上げます。
天板仕上げ天板仕上げ次に、天板の厚みが40mm強なので、見た目をすっきりさせるために裏側で少し端の方を斜めに削ります。

こうすることで厚みは30mmぐらいに見えて、デザイン的にも全体とのバランスが良くなります。
角の面取りをして、表も裏もサンディングして仕上げます。
天板仕上げ 天板仕上げ 天板仕上げ
天板仕上げ天板仕上げいよいよ塗装に入ります。
千切り実は…初めは気付かなかったほどの薄ーい割れが塗装をしてみたら気付いたので、さらに千切りを追加して埋めておきました。

画像を拡大してもほとんどわからないほどの本当に薄ーーい(笑)割れです。
組み立て前組み立て前こうして、あと少しオイル、ワックスを塗って完成となります。

今回もお客様の家で、その場で天板と脚部を組み上げることになっています。「寄せ蟻」はそういう点が楽しみでもあります。
工房の庭話は変わり、庭と畑です。ただ今新居建築のあおりを受けて窮屈なことになっている我が”jagar's garden”ですが、それでも様々な花が咲いてくれています。
今はまさにアジサイの盛りです。アナベルや美咲、てまりてまり、ダンスパーティなどのアジサイが地植えしたものも鉢に植えたものも元気に花を咲かせています。
工房の庭 工房の庭 工房の庭 工房の庭
他にも、コレオプシスソランナ、ジギタリス、ラベンダー、カラーなど…がんばって咲いてくれています。
工房の庭 工房の庭 工房の庭 工房の庭
そして、以前の里山だよりに書きましたが、庭の一番奥…以前森であった場所はすでにきれいに整備してしまいました。自分で木を伐採し、軽トラックに積んで産廃に持っていき、それを数回繰り返しました。

その後、建築業者さん(ちょうど息子の新居を建設してくれていた業者さん)にお願いして、木の根をすべて抜いてもらいました。

その後は私がひたすら掘って掘って、大きな石やガラなどを取り除きました。これが大変でした。一輪車に積んでは少し離れた畑の一番奥まで捨てに行くという作業を何十回やったことでしょう。

工房の庭工房の庭そして耕運機や管理機で耕し、さらにもみ殻を混ぜくっておきました。

このままではまだ花を植えるには排水性が悪い土なので、その上に山砂を入れました。

土やさんに頼んで2トントラック3杯分を持ってきてもらい、後は私がひたすら運んで平らに敷き詰めました。よくやった…!(自画自賛)

これで、またたくさんの花を植えることができます。今、鉢に植えられている花たちもここに植え替えをしてやる予定です。もう少し、待ってろよ…。リニューアル、パワーアップした我が”jagar's garden”のオープンは来春を予定しています。
畑の夏野菜畑の夏野菜長くなったので畑の様子は画像のみです。みんな順調に育っています。

すでに我が家の食卓にはズッキーニやキュウリ、ジャガイモなどがあがって、美味しくいただいています。夏野菜の季節がやってきたのですね。
畑の夏野菜 畑の夏野菜 畑の夏野菜 畑の夏野菜 畑の夏野菜 畑の夏野菜
「山桜一枚板円卓」
2024.06.03
ウォールナットのこたつ座卓美濃加茂市のお客様の「ウォールナット2枚接ぎこたつ座卓」は完成しております。脚部も塗装が終わり、こたつヒーターを取り付けて完了。
ウォールナットのこたつ座卓ウォールナットのこたつ座卓天板もオイルとワックスで塗装が終了しました。
ウォールナットのこたつ座卓ウォールナットのこたつ座卓お客様の元へ無事納品ができました。

「ホームページ(里山だより)を見ながら心待ちにしていました」と、大変喜んでいただけて良かったです。
ウォールナットのこたつ座卓今回は天板は共木で2枚接ぎ、脚部も良材が入手出来て、とても色合いの良い良いこたつ座卓になりました。
そして、引き続き名古屋市のお客様の「山桜無垢一枚板円卓」の制作に入っています。無垢一枚板と書きましたが、実際は無垢一枚板から半円を切り取り2枚接ぎにするというもので、「2枚接ぎ円卓」と言った方がいいかもしれません。

山桜無垢一枚板円卓材料となるのは、とても木目が魅力的な山桜の無垢一枚板です。まずは厚みが65mmほどもあった無垢一枚板を、所定(40mmぐらい)の厚みにまで削り落とすのですが…。

実は一気にそこまで削り落とすのは無理があると思い(※)まずは50mmほどに削り落としてからしばらく(1ヶ月ほど)放置(シーズニングと言います)し、時を置いてからさらに所定の厚みにまで削り落としました。

※ 幅広の大きな板を削り落とすのには大きな機械を使います。その時に熱が出るのであまりにたくさん削ると反りなどが大きく出やすいのです。
山桜無垢一枚板円卓かくして所定の厚みにまで仕上げたこの山桜の一枚板ですが、削ってみたらなかなか大変でした。

予想以上に端の割れが大きく入っていたり、内部のひび割れ(水割れと言います)が出てきたり…。
山桜無垢一枚板円卓何とか工夫して木取りの墨線を引きます。ギリギリの線です…。(汗)
山桜無垢一枚板円卓山桜無垢一枚板円卓その線に沿ってカットしていきます。
山桜無垢一枚板円卓なんとかギリギリの線で木取りができました。
山桜無垢一枚板円卓山桜無垢一枚板円卓接ぎ合わせの加工に入ります。「隠し雇い核接ぎ」と「ビスケットジョイント」の加工です。
山桜無垢一枚板円卓山桜無垢一枚板円卓雇い核(ざね)とビスケットを嵌めてみます。
山桜無垢一枚板円卓接着剤を付けて圧締し、完全に乾くまで一昼夜置きます。
山桜無垢一枚板円卓山桜無垢一枚板円卓表裏とも鉋掛けを行います。
山桜無垢一枚板円卓山桜無垢一枚板円卓円形にカットしていきます。ルーターという工具を使って加工します。
山桜無垢一枚板円卓山桜無垢一枚板円卓裏側が特に割れなどの欠点が多かったので、割れ止めの「千切り」加工を行います。

型紙とトリマーという工具で穴を掘り、ノミで整えます。
山桜無垢一枚板円卓一つ一つの穴に合うように「千切り」を削って加工します。
山桜無垢一枚板円卓山桜無垢一枚板円卓上手く嵌まりそうになりました。接着剤を付けて叩き込みます。
山桜無垢一枚板円卓一番端のところに水割れがあるので、ここは樹脂を注入して固めておきます。
山桜無垢一枚板円卓山桜無垢一枚板円卓山桜無垢一枚板円卓カンナできれいに削って仕上げます。
こうして裏面に出た欠点の手当てが大体終わったので、この後「寄せ蟻」の加工へと入っていきます。
「ウォールナット2枚接ぎこたつ座卓」
2024.05.24
ウォールナットのこたつ座卓ウォールナットのこたつ座卓現在、工房では美濃加茂市のお客様の「ウォールナット2枚接ぎこたつ座卓」の制作中です。そして、ほぼ完成に近づいています。

接ぎ合わせが終わった天板は、所定の大きさにカットしてから鉋掛けをします。表裏ともに行います。
耳の部分もきれいに仕上げていきます。べったりこびりついている皮を、彫刻刀やブラシで丁寧にこすり落としていきます。
ウォールナットの天板 ウォールナットの天板 ウォールナットの天板
ウォールナットの天板そして、できるだけ自然のままの表情を出現させます。

サンダーなどで擦って削り落としてしまうところが多いですが、そうするとそれはもう自然の表情ではなくて「人間が作り出した偽の自然な表情」になってしまいます。

それは嫌なので、手間がかかってもこういう仕上げを行っています。
こたつ座卓の脚こたつ座卓の脚脚部本体の方も加工を進めます。
こたつ座卓の組み立てこたつ座卓の組み立て組み立てをします。
こたつ座卓の塗装こたつ座卓の塗装塗装をして、さらに組み立てを続けます。
こたつ座卓の脚こたつ座卓の脚脚部本体が完成しました。
幕板幕板幕板には緩やかなアールが付けてあります。
天板仕上げ天板仕上げ天板の方も仕上げていきます。サンディングをします。

この後、天板も塗装をして完成となります。
話は変わりますが…昨年から続いていた我が家の一大プロジェクト「息子の新居の新築」も完成に近づきました。昨年8月に畑や庭の一部を解体撤去し、9月に地鎮祭、着工(造成)を行い、10月末に基礎工事に取り掛かり、11月末に基礎工事が完了、12月中頃に上棟、そして建築工事が始まったのでありました。長期間にわたり、各業者さんには(どの業者さんも)本当に一生懸命、丁寧に親切によい仕事をしていただきました。

そして今は、外構の工事と内部の仕上げにかかっていただいています。ほぼ完成した新居の玄関から外を眺め、「これはビールが進むわ(笑)」と一人で悦に入っております。あっ!私の住む家じゃなかった、息子たちが住む家だったわ…。
「ゴールデンウィーク序盤」
2024.05.02
ウォールナットのこたつ座卓工房では、美濃加茂市のお客様のウォールナット2枚接ぎこたつ座卓の制作に入っています。

大きな一枚板を帯鋸という機械で片方をまっすぐにカットして(挽き割って)いきます。重いです。
片面を平面に削って基準面を作ります。これだけ大きな板を平面に削る大きな機械はウチにはありませんから、非常にアナログですが、まっすぐな棒を当ててみたり目視で水平を見ながら、電動鉋を使って手の感覚で削っていきます。これは本当に感覚の世界です。
ウォールナットの天板 ウォールナットの天板 ウォールナットの天板
ウォールナットの天板ウォールナットの天板こうしてできた基準面を基にして、今度は自動鉋盤という機械に通して削っていき、両面を仕上げます。所定の厚みに仕上げるのです。

当初は50mmぐらいに仕上げようかと思っていましたが(50mmでも仕上げることはできたのですが)、様子を見ながらあえてもう少し薄くしました。
接ぎ合わせ加工次はいよいよ接ぎ合わせの加工です。木端(こば)をまっすぐに削ってから、そこに「雇い核(やといざね)」の入る溝を掘っていきます。
接ぎ合わせ加工さらに「ビスケットジョイント」の加工もしておきます。これはもちろん接ぎ合わせ強度の補強にもなりますが、どちらかというと「目地合わせ」という意味合いで私は使っています。
接ぎ合わせ加工こうして穴の方の加工が済み、これに合わせて雇い核(やといざね)とビスケットを作って用意します。
接ぎ合わせ加工そして、接着剤を塗ってハタガネで圧締して貼り合わせます。こうして接着剤が乾くまで一昼夜置きます。

接着剤が乾いたら所定の長さにカットし、その後鉋掛けの作業に入ります。
世の中はゴールデンウィークですが、当工房はこの後も待っているお客様がみえますので仕事はします。この仕事の後は、名古屋市のお客様の山桜一枚板の円卓、大阪府泉佐野市のお客様のウォールナットの書斎机、横浜市のお客様の楢(ナラ)の書斎机、兵庫県尼崎市のお客様のキッチンカウンター兼収納棚…と続いていきます。

郡上八幡の春祭りさて…そんなことを書きましたが、実は仕事以外でも何かといろいろあるのです。先日(20日)は妻の実家の郡上八幡の春祭りでした。息子が子供にぜひ獅子舞を見せたいというので一緒に行きました。

以前にも書いたことがありますが、郡上八幡といえば盆踊りだと思われています。しかし、実はこの春の祭りがとてもいいのです。大人と子供が一緒になって獅子舞、お囃子、様々な役柄を演じ、町の中各所で踊り奉納していきます。孫も初めての獅子の洗礼を浴びて大泣きしていました。
ピザ会ピザ会久しぶりのピザ会もすることができました。集まるのはいつものメンバー…気心が知れた中なのでとても楽しく笑い、飲み、お話ししました。

もちろんピザは不可欠。今回も4枚焼きました。
ピザ会ピザ会妻の手作りのおかずとバーベキュー、アヒージョも…さて、次回はいつかな?
苗の植え付けそして、どうしてもやらなくてはいけないのが夏野菜の苗の植え付けです。私はいつもゴールデンウィークの初めごろにやることにしています。
苗の植え付け今年もたくさんの野菜の苗を植えました。キュウリをまず4本(時期をずらしてまた植えます)、コロたん(メロン)、すくなカボチャ、トマト(ホーム桃太郎)6本、ミニトマト4本、黒曜ナス3本、庄屋大長ナス3本、白ナス2本、水ナス1本、ズッキーニ4本、ピーマン2本、ししとう2本、万願寺とうがらし2本、パプリカ1本、ゴーヤ4本、キャベツ、モロヘイヤ、オクラ、バジルも少しずつ。大ショウガ1kg、そしてサツマイモ(べにはるか)50本。

大変でしたが、また楽しみが増えました。あとは順調な生育を祈って世話をするだけです。
苗の植え付けただし、今年はなんだか野菜の成長がおかしいです。テレビでもいろいろな野菜農家が「今年は生育が遅い」などと言っていますが、うちでもイチゴの生育が遅かったり、ジャガイモの生育も去年ほど良くありません。

エンドウに至っては全くと言っていいほど不作でした。これから暖かくなって、野菜がぐんぐん成長するのを願っています。
工房の庭畑も忙しくなってきましたが、庭も放っておけません。放っておくと草だらけになってしまい荒れてしまいますので、折を見て世話をします。

モッコウバラとフロックスの競演はきれいでした。
工房の庭デルフィニウムの花も咲き始めました。白モッコウバラも咲き始めています。
工房の庭オルレアの花も咲き始めています。
そして、次の主役になるシャクヤクやクレマチスが今か今かと出番を待っています。
工房の庭 工房の庭 工房の庭
仕事も、畑も、庭も、家族も…そして実はさらにもう一つ、大プロジェクトを進行させています。(こちらにもかなりまとまった時間がかかります。)

他にも地域の役職もあったり(今ちょうどその仕事も忙しい時期です)、間もなく完成となる息子の家の新築の準備(家具)も…以前も書きましたが「体がもう一人分(二人分?)欲しい!」です。

いろいろあって、どれも忙しくて大変です。私の場合、暇を持て余すということは全くあり得ません。でもその分、楽しさがあります。幸せな人生だと感謝しています。
「πチェア」
2024.04.19
桜の終わりあっという間に桜の季節も終わりました。
工房の庭庭ではジューンベリーも満開となり、そして花が散りました。
工房の庭今はフロックスの可憐な花が足元で咲いています。壁全体に覆っているモッコウバラの花芽も膨らんで、ちらほらと花を咲かせ始めました。
工房の畑畑ではジャガイモの芽が出そろい、少し大きくなったところで間引きをした後、第一回目の追肥と土寄せをしておきました。
孫の1歳の誕生日祝い孫の1歳の誕生日祝い先日は孫の1歳の誕生日。お祝いをしました。ヨーグルトのケーキを作り、一升餅を背負わせて…一生食べ物には困らないようにするためだとか…。
ウォールナットの椅子さて、工房ではウォールナットのπチェアがほぼ完成しております。座板の裏側に幕板で反り止め加工をします。
肘(背もたれ)の加工です。背柱が入る溝を掘ったり、バンドソーという機械で形を大まかに切り出したりします。
ウォールナットの椅子 ウォールナットの椅子 ウォールナットの椅子
ウォールナットの椅子成形加工に入ります。電動工具で荒削りをした後、南京鉋で削って形を整えていきます。
ウォールナットの椅子 ウォールナットの椅子 ウォールナットの椅子
ウォールナットの椅子サンディングをして仕上げます。
ウォールナットの椅子後脚も南京鉋で削って成形します。
ウォールナットの椅子座板の方は座繰りをします。先の肘の加工もこの座繰り加工も、インスタグラムの方には動画を載せておきました。よかったら見てください。
ウォールナットの椅子ウォールナットの椅子つるつるに仕上げて完成です。
ウォールナットの椅子ウォールナットの椅子座板と脚の成形加工、仕上げ加工を行い、組み立てをします。
ウォールナットの椅子そして、肘(背もたれ)も組み立てます。
接着剤が乾くと、ここから彫刻(?)作業が始まります。切り出しナイフや彫刻刀などを駆使して、脚と肘が滑らかにつながっていくように削って仕上げていきます。
ウォールナットの椅子 ウォールナットの椅子 ウォールナットの椅子
ウォールナットの椅子最後はサンディングをして仕上げます。長丁場の加工も終了です。やっとほっとします。
オイルで仕上げて完成となります。
椅子のオイル仕上げ 椅子のオイル仕上げ 椅子のオイル仕上げ
これまでに百数十脚は作ってきたでしょうか…このπチェア。制作は一筋縄ではいかない難しい椅子です。こうやって加工をできるようにするまでにさまざまな苦労があり、少しづつ改善を重ね、治具を増やしていったり加工の勘所をつかんできたものです。

制作にかなり時間もかかり、材料代もかかるために価格もだんだんと高くなって来ました。年々注文も減ってきてはいます。

でも私自身、この椅子には(苦労を掛け、時間をかけてきた分)愛着があるので、制作を続けてきました。出来る限り作り続けていきたいと思うのですが…。
「畑と庭と家具づくり」
2024.04.05
椅子の制作現在工房では、浜松のお客様のπチェアを制作中です。まずは、肘(背)の部材を張り合わせします。
椅子の制作脚も加工していきます。こんな治具を使って制作します。
椅子の制作この椅子は以前にも書きましたが、普通の椅子と違って「座板、脚、肘、幕板」などをすべて並行して加工していかなければなりません。ちょっと複雑な椅子です。

加工の手順というか勘所は私の頭の中にしかありません。
2枚接ぎのこたつ座卓そして、先日来作っていた群馬県のお客様のチェリー2枚接ぎのこたつ座卓は完成し、いよいよ発送いたします。
共木の2枚接ぎ共木の2枚接ぎになります。ブックマッチ(ではありませんが)のようにも見えます。お客様の希望で、耳付きではなくストレートラインに作ってあります。
こたつ座卓の幕板こたつ座卓の幕板幕板はアール形状に加工してあります。高さは40cmです。
話は変わり…前回の里山だよりに忙しいということなどを書きましたが、まさに仕事の方も何人ものお客様にお待ちいただいており、着々と進めていっています。

新居の壁塗り新居の壁塗りそれ以外にも、家のことでも何かとバタバタしております。先日は建築中の息子の新居の壁塗りを自分たちでやりました。

工務店の方の指導で「ポーターズペイント」というのを塗るのです。
新居の壁塗り広い面積なので大変でしたが、なかなかできない経験でしたので楽しかったです。
新居の壁塗り素人の塗り方なのでムラもありますが、かえってその方が面白いのではないでしょうか。
桜の開花さて、このところ急に暖かくなってきて、工房裏手の桜は一気に満開となっております。
工房の畑その暖かさのおかげで、畑の方もジャガイモの芽が一気に顔を出しました。自然とは本当に不思議なもので、先日までは全くそんな気配もなく寒さの下で縮こまっているように見えたのですが、温かくなったらこの有様です。
工房の畑そして、畑はダイコン、カブ、ナバナや正月菜などが一斉に花になってしまい、知らぬ間に菜の花畑になってしまいました。

もうすぐ夏野菜の植え付けも始まるので、このままではいけません。忙しさの中でも時間を見つけてここを片付けることにします。まずは草引きからです。
工房の畑まだまだ残っていますが、今日はここまで。天気を見ながらまたやることにします。

「畑と庭と家具づくり」…私の人生テーマです。
「こたつ座卓」
2024.03.28
桜の開花桜の開花も遅れ気味ですが、工房裏手の地蔵堂の桜がようやく開花し始めました。

この桜はこのあたりではいつも一番初めに咲き始めます。
桜のこたつ座卓工房では、群馬県のお客様の「桜のこたつ座卓」がほぼ完成に近づきました。部材の鉋掛けをして成形します。
桜のこたつ座卓組み立てる前に部材の塗装をしておきます。
こたつ座卓の天板天板の方も加工を進めます。表裏両面に鉋掛けをします。
こたつ座卓の天板側面も鉋掛けします。
こたつ座卓の天板サンディングをして仕上げます。
水引き研磨水引き研磨です。
こたつ座卓の脚こたつ座卓の脚脚部本体を組み立てます。
こたつ座卓の脚たくさんのハタガネを使って組み立てます。
こたつ座卓の脚組み立てが終わり、脚部本体は完成です。
天板の塗装天板の塗装天板の方の塗装を行います。あと数回オイルとワックスを塗って完成です。
こたつ座卓のヒーター脚部にこたつのヒーターを取り付けます。
椅子の制作こたつの方が大体完成に近づき、続いて浜松市のお客様のπチェアの制作に取り掛かっています。
「体がもう一人分欲しい」
2024.03.21
富加町いなか舎てくてくめぐり富加町いなか舎てくてくめぐり「富加町いなか舎てくてくめぐり」は終わりました。今回はワークショップは行わず、展示のみとしました。

すごくたくさんのお客様がみえたわけではありませんが、中学校時代の友人が来てくれたりして、なつかしく話ができました。
富加町いなか舎てくてくめぐり富加町いなか舎てくてくめぐり運営の方が世代交代によって変わって2年目となりました。

以前の方とは、やはり少し運営の仕方が変わりました。インスタグラムを使った運営など、今どきの感じになっています。

わたしの個人的な感想を言えば、以前のように手弁当でアナログ的な運営の仕方が、人と人とのつながりを感じて懐かしく思われます。また来年ですが、参加するかどうかは未定です。
チェリーのちゃぶ台仕事の方は、一宮市のI様のチェリーのちゃぶ台が完成しました。天板は接ぎ合わせを終えたあと、裏表の鉋掛けをします。
チェリーのちゃぶ台ルーターという機械を使って円形にカットします。
チェリーのちゃぶ台側面を蛇腹面に鉋で仕上げた後、サンディングをして仕上げます。
チェリーのちゃぶ台オイルを2回、天板表面はさらにワックスを2回、塗装をして完成です。
天秤指し天秤指し手仕事で加工した「天秤指し」の模様がきれいです。
チェリー2枚接ぎこたつ座卓そして引き続き、群馬県のK様の「チェリー2枚接ぎこたつ座卓」の制作を進めていきます。

天板は幅50cm以上、長さ3mを超えるチェリーの一枚板を2枚接ぎにして作ります。同じ板ですので共木となります。
チェリー2枚接ぎこたつ座卓片面を平面に削った後、自動鉋盤という機械に通して所定の厚さまで削っていきます。
隠し雇い実接ぎビスケットジョイント接ぎ合わせは「隠し雇い実接ぎ」と「ビスケットジョイント」を併用します。
2枚接ぎ天板きれいなチェリーの2枚接ぎ天板になりそうです。
脚部の制作も進めていきます。部材の加工をしています。この後、鉋で削って最終加工となっていきます。
部材の加工 部材の加工 部材の加工  
このこたつ座卓が終わると浜松市のT様のウォルナットのπチェア、美濃加茂市のH様のウォールナット2枚接ぎこたつ座卓、名古屋市N様の山桜の円卓、さらに大阪府泉佐野市のU様のウォルナットの書斎机…と進めていきます。皆様しばらくお待ちください。
さて、最近は暖かくなったと思いきや急に真冬の寒さに逆戻りをしたりと、なんだか調子が狂うような天気が続きます。しかし、庭の様子を見ると春が進んでいるのが分かります。今はクリスマスローズがたくさん咲いています。
工房の庭 工房の庭 工房の庭  
シャクヤク、クレマチス、バラなどが新芽を伸ばしてきています。
工房の庭 工房の庭 工房の庭  
我が「jagar's garden」は、今隣に家を建設中のため、そのあおりを受けて多くの花たちを移動させています。たくさんの花の苗をいったん鉢に植え替えて置いてあります。しばらくこのままとなりますが、また来年の春までには新しくパワーアップした庭になるように整備する計画です。
工房の庭 工房の庭 工房の庭  
ジャガイモの植え付け畑の方はジャガイモの苗を植え付けしました。玉ねぎは猿に取られないように網で覆っておきました。
3月、4月は何かとあわただしいです。仕事の方もおかげさまで忙しく、その合間に畑もやらなければいけないし、なんとか時間を作り出して庭の整備もやっていかなければいけませんし、息子の家の建設もあるし(いくつかの家具を提供する予定です)…体がいくつあっても足りません。
「写真に思う」
2024.02.28
クルミの本棚K様の胡桃(クルミ)の本棚は完成し、お客様自ら引き取りに来られました。

今回はお客様自身のラフ図面を基に制作しましたので、ほぼお客様の思い通りのデザインとサイズになりましたが、満足いただけて良かったです。  
一段一段が結構大きめのサイズですが、大きな雑誌を入れられるということで「これでいいです」とのことでした。
クルミの本棚 クルミの本棚 クルミの本棚  
チェリーのちゃぶ台そして、I様のチェリーのちゃぶ台も制作が進んでいます。脚部の方は大体完成しました。

直径110cmという大きめのちゃぶ台なので、それに伴って高さも高くすることが可能です。お客様のご希望だった高さ37cmというのも実現できそうです。  
天秤指し天秤指しもばっちり決まりました。  
天板加工引き続き、天板の加工に入ります。  
工房の入り口さて、話は変わりますが…工房の入り口には昔から写真を飾っています。子供たち(娘と息子)の写真です。まだ小さいころで、私が工房を始める直前の頃の写真です。

私がこの道を志すきっかけにもなった、ある有名な工房を子供たちと一緒に訪ねた時の写真です。「初心忘るべからず」という気持ちでこの写真を飾っていますが、それだけでなく、子供たちの写真を見ては「父ちゃん、頑張らねば…」と自分自身を鼓舞する意味でも飾ってきました。完成したばかりの工房の写真や、若かりし私の姿も映っています。  
孫の写真最近もう一つ増やした写真です。言わずもがなの3人の孫の写真です。苦しいこと、嫌なことがあってもこの写真を見ると心が落ち着きます。  
スマホというものができて以来、写真を撮るのが本当に簡単になりました。しかも高画質で、プロ顔負けの写真が簡単に撮れます。昔は違いました。フィルムカメラでしたから撮れる枚数も限られ、しかも出来栄えは写真屋さんに行って現像してもらわないとわかりません。今はすぐにその場で確認できますし、パソコンにつなげば大きな画面で確認することもできます。それに簡単に撮れるし、枚数も限りなく撮ることができます。だからついつい撮ってしまいます。

でも、昔と比べると決定的に違うのは現像(印刷)しなくなったということです。たいていはパソコンに保存して終わりじゃないでしょうか?もちろん自分でも我が家のプリンターで簡単に印刷することはできますが、それでも「現像(印刷)しなくても見れるからいいや」という気持ちなのでしょう…現像(印刷)することがなくなったのです。

つい最近、どうしても大判で高画質の写真を現像して欲しくて隣町の写真屋さんに行きました。そこは自分でスマホをつなげば印刷することができます。しかし、たまたま機械が壊れていて使えませんでした。「ほかに写真屋さんはありませんかね?」と聞くと「この町(比較的大きな市です)では、あと一つ(大型ショッピングモールの中の店)しかありませんね」との返事。

我が町の写真屋さんは、すでにずいぶん昔(10数年も前?)に無くなりました。写真屋さんもどんどん無くなっているというのが現実です。でも、やはり高画質の写真は写真屋さんでないと印刷できません。我が家のプリンターと市販の写真用紙では心もとないです。

一昨日、息子たちが帰って来ていたので妻が久しぶりに昔のアルバムを出して来てみんなで見ていました。孫の顔が息子の小さいころにそっくりだということで、大きく盛り上がっていました。こういうことも写真として印刷してあったからこそできることです。今はほとんど現像(印刷)してないので、将来どんな風になるのだろうと思ったりします。やはり時々は写真として印刷して、アルバムに貼っておくことも大切だなと思いました。

それに、初めに書いたように写真として飾っておくことで自分の気持ちを鼓舞したり、癒されたり、幸せな気持ちになったりすることができるのです。そういうことが大切なことだなと思う今日この頃です。
「いなか舎てくてくめぐり」
2024.02.21
今年で15年目になりますが、恒例の「富加町いなか舎てくてくめぐり」が開催されます。

期日:3月1日(土)〜17日(日)
場所:富加町内各所
富加町いなか舎てくてくめぐり 富加町いなか舎てくてくめぐり 富加町いなか舎てくてくめぐり  
富加町いなか舎てくてくめぐり当工房も今年も参加します。うちは2日(土)、3日(日)、9日(土)、10日(日)、16日(土)、17日(日)の6日間、いずれの日も午前中だけのオープンとします。

昨年は木工体験というワークショップを行いましたが、今年は展示のみとなります。よかったらどうぞお越しください。
ところで…前回の里山だよりに書きましたが、現在我が家は家の建設中であり、そのせいで庭(jagar's garden)もお見せできるような状態にありません。新居の場所に植えてあったバラやたくさんの宿根草は一時的に鉢に植え替えてあって、また庭が整備されてから植えつけられるのを待っています。

何とか秋までには庭を整備して、またパワーアップした"jagar's garden"をお見せできるようにしたいと思っています。

jagar's gardenそこで、この機会に一番奥にあった森(?木がうっそうと茂っていた場所。藪のようになっていた場所です。)もきれいに木を切ってしまい、この後切り株や笹の根などをきれいに撤去します。

そして、この場所も新たなるガーデンエリアとして拡張整備します。その一角には小さな小屋をセルフビルドで建設します。こちらも何とか秋までに完成できたらいいなと思っています。

完成したら、そこでまた楽しい何かがきっと始まることでしょう…楽しみです。その様子はまた時々この里山だよりにも書いていこうと思います。
…なんてのんきなことを書きましたが、実は仕事の方が忙しくて、はたして庭の整備や小屋建設などをやる時間を取れるかどうか心配というのが本当のところです。

特注本棚本棚の方はほぼ完成しました。部材の仕上げが終わると組み立てです。こういった箱物の組み立ての場合「プレス機」という大きな機械があれば便利なのですが、うちにはありません。場所も取られるので置いてないのです。

仕方なくたくさんの「ハタガネ」で締め付けて組み立てます。
特注本棚特注本棚プレス機があれば全体に均等に力が加わるのでそれほど難しくも大変でもないのですが、ハタガネで締め付ける場合は全体に均等に力が加わるように少し工夫が必要です。

「当て木」を使って締め付けますが、この当て木に工夫がしてあります。
特注本棚普通にまっすぐの当て木を当てて締めると両端に力が加わり、真ん中が浮いたようになってしまい、真ん中に力が加わりません。その結果、真ん中あたりのつき(接着)が弱くなって隙間が出来たりします。

そこでこの当て木は真ん中が凸になるように緩やかに削ってあります。
特注本棚こうして当てて締め付けると真ん中も両端も力が同様に加わって接着がうまくいくのです。ただし、接着剤が乾かないうちにたくさんの締め付けをしなければならないので大変です。

でも何とかうまくいきました。
特注本棚特注本棚最下段には引き出しが2つ付きます。鉋で削って仕込みます。
特注本棚特注本棚つまみも削って作ったものを取り付けます。完成です。
特注本棚あとは塗装を待つだけです。
そして、引き続きチェリーのちゃぶ台(直径110cm)の制作にかかっています。相変わらず定番の「天秤指し」を手加工で行います。
チェリーのちゃぶ台 チェリーのちゃぶ台 チェリーのちゃぶ台
チェリーのちゃぶ台チェリーのちゃぶ台鋸挽き仕事、ノミ仕事が終わり、一度組み立ててみます。なんとかうまくはまりそうです。
チェリーのちゃぶ台さらに加工を進め、鉋で仕上げます。
チェリーのちゃぶ台そして組み立てました。今回もうまくできたようです。
「家が建つ」
2024.02.06
2024年も、もう1ヶ月が終わりました。工房の方は何かと慌ただしくしております。現在は特注本棚の制作中です。

まずは胡桃(クルミ)の板を接ぎ合わせていきます。テーブルの天板など大きな板の接ぎ合わせをするときは「雇い実接ぎ」という手法を用いますが、比較的小さな板を接ぎ合わせる場合は、今回のような「ビスケットジョイント」という方法を使うことが多いです。

ビスケットジョインターこのビスケットジョイントに使用する道具があります。「ビスケットジョインター」という道具です。
特注本棚特注本棚この道具でビスケットを入れる穴をあけ、そこにビスケットを挟んで接着剤を付けて接ぎ合わせていくのです。
特注本棚特注本棚7枚ほどの板を接ぎ合わせしました。
特注本棚特注本棚その後、ほぞやほぞ穴を加工していきます。
特注本棚特注本棚鉋で削り、サンディングをして仕上げたら組み立てに入ります。
子供椅子話は変わりますが、先日孫たちに作ってあげた子供椅子はこんな風に遊んでくれています。まだ座ることができない下の孫二人は支えてあげなければいけませんが…。

ベニマツの椅子は軽いので、2歳の孫娘はあちこちに持って行って座っています。
またまた話は変わり…昨年の秋から始まった我が息子の新居建設も着々と進んでおります。まずは基礎のすごさにびっくりしました。「ビルでも建つのか?!」と思うほど…。
新居建設 新居建設 新居建設  
とにかく、1軒の家が建つのには本当に多くの人(業者)の手がかかるのですね。土地造成の業者、ブロック積みの左官屋さん、基礎屋さん、水道屋さん、ガス屋さん、電気屋さんもちろん大工さん…。
新居建設 新居建設 新居建設
上棟12月の終わりごろでしたが、上棟の日を迎えました。雪混じりの寒い日でしたが、大工さんたちがんばってくれました。

お昼には豚汁を作って食べていただき、休憩の時は庭のピザ窯でピザを焼いて食べていただきました。
上棟上棟上棟
その後も、さまざまな業者さんの手によって家の建設は進んでいます。サッシが入り、屋根が貼られました。
新居建設 新居建設 新居建設
庭の小屋クレーンが来たついでに、庭のトトロの(?)小屋も場所を移動していただきました。
新居建設新居建設断熱材の吹き付け、天井下地などなど…
新居建設 新居建設 新居建設
新居建設新居建設天井が貼られ、床板も貼られています。
新居建設焼き芋まだまだたくさんの作業が続きそうです。家一軒建てるという事は本当に大変なことなのだなと感じます。ご苦労様です。

ときどき工房の薪ストーブで焼き芋を焼いて、大工さんにも食べていただいています。
「新年のご挨拶」
2024.01.01
謹賀新年あけましておめでとうございます。

今年も皆様に喜んでいただけるような良い家具をバンバン作っていきたいと思っています。

今年も皆健康で幸せな一年になりますように。本年もよろしくお願いいたします。