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里山便りバックナンバー2025
里山便りバックナンバー2025
「木工体験」
2025.03.03
木工体験昨日は久しぶりの「木工体験」でした。

今回は「木の皿を作ろう」プログラムです。一枚の板を選び、そこから皿を作り出し(削りだして)ていくという、結構高度なプログラムです。
木工体験さて、いきなりの木工旋盤体験です。

始める前は高速で回転する木工旋盤に少し「ビビり」気味のお客様でしたが、始めるとすぐに慣れて「楽しい!」に変わります。
木工体験シュルシュルと削られていく感触がクセになったようです。

みなさん初めてとは思えないぐらいいい感じに皿を成形できました。
木工体験木工体験その後は思い思いに彫刻刀で削って模様を付けていきます。削り治具の工夫に感心してみえました。
木工体験木工体験きれいに彫り終えたら植物性オイルで塗装です。今回は食用のクルミ油を塗りました。

同じクルミでも表情、色合いが違うのが面白かったようです。
木工体験木工体験最後は記念写真。「また来ます」「(お客様同士で)次も一緒にお願いしますね。今度はカッティングボードにしますか?」などと楽しそうに話して帰られました。

私が「楽しんでいただけましたか?」と聞くと「すごく楽しかったです!」との感想。
木工体験あとからLINEで感想が届きました。「佐藤さんが褒め上手だということを記載するのを忘れていました」と追伸もありました。

次回はいつになるか…希望がありましたら、いつでもご連絡ください。詳しくはこちらをご覧ください。
さて、工房では現在千葉県のお客様のダイニングセットの制作中です。πチェアフラット肘型の制作も佳境に入っています。

後脚の成形です。南京鉋という鉋で削って形を整えていきます。
木工体験サンディングをして仕上げます。
木工体験木工体験前脚も仕上げたら座板に組み込んでいきます。
さて、肘の成形加工に移ります。大まかに切り出した肘部材を削って、きれいな形に仕上げていきます。

その様子も動画でどうぞ。
木工体験成形した後は、サンディングをして仕上げます。
木工体験木工体験肘を組み立てます。こうして完全に固まるまで放置します。
木工体験その間に次の「KOSI-KAKE」2脚の制作も進めていきます。まずは座板を接ぎ合わせていきます。

椅子、椅子、椅子…と制作は続いていきます。
「庭を眺める小さな家〜アトリエ〜 セルフビルドの記録3 造作編その1」
2025.02.27
大雪今年はよく雪が降りました。少なくとも3回大雪が降りました。しかし子どもたちには楽しい遊びの機会となったようです。
大雪大雪大雪
さて、工房では千葉県のお客様のダイニングセットの制作中です。ご主人の注文の「ナラのπチェア フラット肘型」の制作中です。

ナラのパイチェアー フラット肘型の制作ナラのパイチェアー フラット肘型の制作後ろ脚を成形し、いったん座板に組み込んでみます。
部材の切り出し部材の切り出し肘(背)の部材を切り出します。
座面の加工座面の加工座板の裏には、幕板を使った反り止めの加工をしていきます。蟻桟の加工です。
部材の加工部材の加工肘の部材の加工を進めます。
ナラのチェア制作組みつけてみると、こんな感じになります。ここまでくると構造的な山場は過ぎているので、ちょっと安心します。

あとは成形加工、いわば味付けの段階に入っていきます。
座繰り加工座繰り加工座面に座繰り加工をします。「四方反り台鉋」という鉋を使って掘っていきます。

(このあたりの作業の様子は動画でも取ってInstagramでも上げています。主にInstagramのストーリーズで現在の進行中の様子を上げています。日常的な様子はInstagramの方で更新することが多いです。良かったらInstagramを見て、できればフォローもしてください。)
話は変わります。「庭を眺める小さな家〜アトリエセルフビルドの建設記録」第3弾になります。

アトリエ昨年の暮れに上棟を無事済ませましたが、年を越す前に外側の雨仕舞いまでは済ませておきたかったので、暮れの忙しい中でがんばりました。

そのせいで今年は新年の準備が昨年ほどしっかりできませんでしたが…まぁそういう年もあるでしょう。
アトリエ外壁に耐震壁となる合板を貼り付けていきます。特別な長さの大きくて重い特殊な石膏ボードを一人で貼っていくのは、なかなか大変な作業でした。
アトリエ板金作業もします。
アトリエアトリエぐるりと耐震壁を張り巡らせたあとは、その上に透湿防水シートを貼っていきます。そして、その間に板金屋さんに頼んで屋根の板金を貼っていただきました。とりあえずこれで年越しができます。
アトリエアトリエ年が明けて新年の3日、さっそく外壁用の焼き杉板を塗装しました。妻と一緒に大量の板の塗装を終えました。
アトリエまずは下地となる通気胴縁を打っていきます。
アトリエ外壁の板を一枚一枚貼っていきます。
アトリエ同時に、電気屋さんに頼んで電気配線の工事をしてもらいました。
アトリエ次は天井の施工に入ります。まずは天井に貼る杉板をオイル塗装しておきます。
アトリエ天井全体に断熱材を入れます。ガラス繊維の粉が舞って目がシカシカしました。(危ない?)
アトリエ防水シートを貼って押さえます。
アトリエアトリエさらに胴縁を打って、それから天井板を貼っていきます。
アトリエアトリエなかなか難しかったです。貼り終わってから「ああすればよかった」などと反省もしましたが、時すでに遅し…。

でもまあセルフビルドとはそういうものでしょう。何といっても素人が行うものですから、初めてのことなので知らないことがいろいろあります。よく言えば「手作り感」? 

次に建てることがあれば今度はもう少し上手にできるでしょう。まあそれは無いか?

…次回「造作編その2」へ続く。
「庭を眺める小さな家〜アトリエ〜 セルフビルドの記録2 上棟編」
2025.02.14
大雪大雪今年はよく雪が降ります。立て続けに3回ほど大雪になりました。
大雪しかし、子供や孫たちにとってはめったにない楽しみとなりました。
工房では船橋市のお客様のダイニングセットの制作中です。テーブルの脚先の加工です。機械や手仕事を駆使して脚先の飾りを作っていきます。
ダイニングテーブルダイニングテーブルダイニングテーブル
ダイニングテーブルダイニングテーブルすべての部材に鉋掛けをし、サンディングをしたら組み立てに入ります。
ダイニングテーブルダイニングテーブル一昼夜放置して完成です。
千切り千切り天板の方は小さな節穴が出てきてしまったので千切りを入れてデザイン的に補修します。
天板の鉋掛け天板の鉋掛け天板の木端(こば)面も鉋掛けして仕上げます。
天板の鉋掛け面取り鉋という鉋で面取りをします。
天板仕上げ天板仕上げサンディングをして仕上げ、塗装をします。
椅子の制作椅子の制作続けて、今度は旦那さんのご注文である「πチェア フラット肘型」の制作に入ります。今回は旦那様、奥様、子どもたちそれぞれに違う椅子をご注文いただきました。

まずはπチェアからです。座板の接ぎ合わせです。
椅子の制作同時に肘部材の接ぎ合わせも行います。
椅子の制作後ろ脚の切り出しです。
椅子の制作肘の加工です。接ぎ合わせた部材が乾いて固まったら、所定の厚みに仕上げて組み合わせていきます。つなぎの部分には、こんな感じで小さな板を挟み込んで強度を高めます。
椅子の制作ぴったりくっつけるにはそれなりにコツが要ります。
座板の加工座板の加工に移ります。脚の入る部分を切り込んでいきます。こうしてπチェアの制作を進めています。
さて、前回に引き続き「庭を眺める小さな家〜アトリエ〜 セルフビルドの記録」…今回はいよいよ「上棟」編です。

「(昨年の)年内には必ず上棟するぞ!」と決めて刻み作業をしていたのはいいですが、「材料の木材がなかなか入ってこなかったこと(11月下旬にようやく運び込まれました)」「私一人で刻み作業をしていたこと」「予想以上に”本格的な”刻み作業だったこと(指導の宮大工の棟梁の要求レベルが本格的なものだった?)」などなどで、予想以上に大変な仕事でした。(もう少し簡単かと思ってました。甘かった!)

棟の日はもう決まっているし、「間に合うか?」と焦りながらの作業が続きましたが、何とか予定通りに準備を進め、上棟の日を迎えました。さすがに上棟は私一人ではできませんので、宮大工の棟梁に頼んだり、私の知り合いの大工さんに頼んだりして応援に来てもらいました。
小屋の上棟まずは四方にお神酒や洗米、塩などを撒いて工事の無事と建物の安寧を祈願しました。
小屋の建て方いよいよ建て方に入ります。何せ、家具製作とは違って仮組みなどができません。今回一発勝負ですから「うまく合うか、ほぞの嵌め合いのきつさは適当か?」など不安でいっぱいでした。
小屋の建て方小屋の建て方大工さんに「どうですか?大丈夫ですか」と聞くと「いい感じです!」との言葉。ちょっとほっとしました。
小屋の建て方とはいえ、実はほぞ穴をあけ忘れていた部分があって、急いでその場であけたりなど、少しのトラブルもありましたが、たいした影響もなく何とか上棟作業はスムーズに進みました。
小屋の建て方小屋の建て方小屋の建て方
実は私が一番心配していたのは、高い屋根の上に登って屋根(垂木や板)を貼っていく作業でした。それだけはちょっと怖くて、当初は棟梁に「佐藤さんもちゃんと上ってやるんやぞ。当たり前やろ(笑)」などと言われていましたが、やはり怖い…。

ところが当日は他の大工さん二人が手際よくやってくれて、私はひたすら材料を上げることに徹していることができました。良かった(ホッ…)。
先にも書きましたが、この家、小さな小屋の割には(宮大工の棟梁の指導のお陰で)結構本格的な木造在来工法の家で随所になかなかの仕口が見られます。
仕口仕口仕口
木組みの家木組みの家似たようにハーフビルドで家(工房など)を建てた知り合いが「最近は結構金物が進化していて、しっかりしたものがありますから、金物でできる部分がたくさんありますよ」と言っていましたが、金物に頼るのでなく本格的な(伝統的な)木組みの家になっています。
木組みの家木組みの家そんなこんなで屋根まで貼り終えることができました。宮大工の棟梁も「1日でここまで出来れば上等や」と言ってくれました。
木組みの家木組みの家大工さんのおかげできれいに組みあがったと思います。やはりさすがプロです。
木組みの家かくして上棟は無事1日で終わりました。出来上がってみると思っていた以上に「立派」なお家です。とても小屋とは思えません。何よりけがもなく無事ここまでできたことが良かったです。

このあとはまた一人で造作作業を続けていくことになりますが、この立派な家に負けないように作業をしていこうという気持ちが沸き上がってきました。

…次回「造作編」に続く。
「庭を眺める小さな家〜アトリエ〜 セルフビルドの記録1」
2025.02.04
前回の里山だよりから2か月近く空いてしまいました。まずは工房から。現在は千葉県のお客様のダイニングテーブル(円卓)の制作中です。

ダイニングテーブル(円卓)胡桃(クルミ)材を削って天板の接ぎ合わせをします。
ダイニングテーブル(円卓)接ぎ面にはビスケットジョイントの加工をしておきます。
ダイニングテーブル(円卓)接着剤を付けて圧締し、一昼夜(今回は2日間)置きます。
ダイニングテーブル(円卓)完全に乾いたら裏表両面に鉋掛けをします。
ダイニングテーブル(円卓)円形にカットします。
ダイニングテーブル(円卓)脚の部材も準備します。
ダイニングテーブル(円卓)そして、天板の裏に「寄せ蟻」の加工をします。まずはルーターで蟻桟を掘っていきます。
ダイニングテーブル(円卓)次にトリマーで落とし込みの部分を加工します。
ダイニングテーブル(円卓)溝の方の加工が出来ました。
ダイニングテーブル(円卓)そして、この溝にはめ込む「吸い付き桟」の方の加工に移ります。トリマーで落とし込みの部分の加工をします。
ダイニングテーブル(円卓)蟻桟の加工です。少しづつ、少しづつ、溝にはめ込んでみては外し…何回もこれを繰り返して、いい感じのきつさになるまで加工を続けていきます。
ダイニングテーブル(円卓)いい感じのきつさに仕上がりました。これが寄せ蟻です。
ダイニングテーブル(円卓)はめ込むと仕口は完全に隠れてしまいます。これから脚の加工を進めていきます。
さて、話は変わりますが、前回の里山だよりから2ヶ月、私は大工さんに変身していました。我が”jagar's garden”の一角に「庭を眺める小さな家」(今のところ正式名称は決まっていませんが、通称「アトリエ」と呼んでいます)をセルフビルドしています。

とにかく自分で作ることが好きな私は、今までにいろんなものを作ってきました。工房のハーフビルド、木製カヌー、車庫、庭の東屋、小屋、床の間などなど…いろいろ作ってきましたが、最後はやはり「家」を作ってみたいという気持ちはありました。

実は、この計画はもう2年ほど前から考えており、当初は完全にどこかの工務店に頼もうかと考えたり、あるいは大工さんの手を借りて建前までお任せし、その後ハーフビルドをしようという計画も考えたりしたのですが、いずれも予算的なことを考えて断念したのです。結局、家を建てるという計画はいったん諦めました。それが1年半ほど前のことです。

ところが、その後いろんな人に「どうしてやめたのですか?!」とか「絶対やるべきですよ!」とか、挙句の果てには「私が材料や機械など世話をしてあげるから、佐藤さんやりましょう。佐藤さんなら建てれますよ!」「木材の支給は応援しますよ」などと多くの方から背中を押される形になりました。何か事が進むときというのは、こういう風にいろんな力で後押しされるものですね。

結局ハーフビルドでもなく、完全にセルフビルドで建設をすることにしたのです。
アトリエアトリエそして昨年の11月末ぐらいから建築工事を始めました。まずは土台の「刻み」の作業からです。長い土台のつなぎ部分の加工をしたり、ほぞ穴をあけたりします。
「根太レス」という工法ですので、大引きを落とし込む欠き取り加工もします。
アトリエアトリエアトリエ
アトリエアトリエ一度土台を組んでみて床合板を置いてみます。
孫かわいいお弟子さんの手も借りながら…(笑)
アトリエアトリエそして、刻み加工は延々と続きます。母屋や桁など長い部材は継ぎ手の加工が大事です。

指導をしていただいたのが宮大工の棟梁なので、結構本格的な仕口を要求されました。なかなか難しかったです。
アトリエアトリエアトリエ
アトリエアトリエ柱も少しづつ出来ていきます。
土台の組み立てをしました。
アトリエアトリエアトリエ
アトリエアトリエ床下に断熱材を敷き詰めました。そして床合板を貼っていきます。
アトリエ養生シートを貼ります。
こうしてまずは土台が完成しましたが、その後はまた刻み作業が続きました。昨年の年内に上棟まで済ませたかったので時間にも追われ、結構必死で作業を進めました。

アトリエアトリエとにかく、何といっても木材が重いので大変です。

重い木材、たとえば110mm×270mm×3メートル超、あるいは110mm×150mm×4メートル超なんていう大きな柱をあちらへこちらへと運びながら刻みを進めることを一人でやるのは大変なことでした。
孫腰を痛めないかと不安でしたが、コルセットを巻いてがんばりました。

かわいいお弟子さんに元気をもらいながら…。
アトリエだんだん刻み作業も最終局面に近づいていきました。
アトリエアトリエアトリエ
アトリエ部屋の真ん中にむき出しになる中央梁は、「槍鉋」という鉋で削って仕上げました。
こうして、刻み作業を一人で延々と進めていきました。難しくてわからないことばかりでしたが、その都度宮大工の棟梁や知り合いの大工さんに聞いて、教えてもらいながらなんとか進めていくことができました。

そしていよいよ12月22日、建前(上棟)の日を迎えることになりました。…次回に続く!