T様にはこれまでにいくつかのご注文をいただきました。ご自宅のダイニングテーブルや息子さん宅のケヤキのダイニングセットなどです。

その息子さんのダイニングセットの納品の際に無垢一枚板板脚ベンチを見て頂いて、「ぜひうちにも作ってほしい」と言われ、ご自宅のテーブルに合わせて栃（トチ）無垢一枚板板脚ベンチを作らせていただきました。またリビングに大きめの座テーブルを作ってほしいとのご注文もいただきました。あらためてご自宅に伺い、サイズやデザイン、材質などをご相談し、胡桃（クルミ）のリビングテーブルを制作させていただきました。

T様にお会いするたびに「いろいろなお店を見ているけど、欲しい家具は無いです。やっぱり佐藤さんの家具が一番」とお褒めの言葉をいただくので、本当にうれしく思い、そのたびにまたこの仕事に向かう元気をいただいています。(仮にお世辞だとしてもうれしいです。)ありがとうございます。

今回の胡桃（クルミ）のテーブルも大変喜んでいただき、本当に良かったです。また今後ともよろしくお願いします。

T様にはこれまでもいろいろご注文をいただいています。今回は幅4m×高さ2m40cmという広い壁面いっぱいに食器棚、収納棚そしてオーディオボードを制作してほしいとのご依頼を受けました。

昨年の冬にまずはイメージをラフスケッチで送っていただいたので、それをもとに図面を書いて何回かの修正を行い、ご相談を重ねながら決定いたしました。

T様は無垢の木の家具に対して造詣も深く、こだわりもお持ちです。そういうT様にご満足いただけるように、全体を楢（ナラ）の無垢材しかも良材で制作することや、例えば側面の羽目板は下から上まで木目のつながった一枚板をつかったり、それが食器棚と収納棚で左右対称になるように配置したりしました。また扉や引き戸の羽目板も木目を選んでブックマッチで接ぎ合わせるようにしました。

当初は板差しで制作するご希望もありましたが、より伝統的な指物技術が生かせ、またクラフト感が味わえる框組みで制作することとしました。その他、引き出しの天秤差し加工や引き出し内部の材料も貴重な無垢の材料を用いることなど、ご希望にお応えして制作しました。部材一つ一つに材料を吟味して全体に良い木味が出るようにと考えて制作したつもりです。比較的引き戸を多用するデザインとなりましたので、統一感を出すために扉や引き出しまでもつまみを付けないデザインで統一しました。

しかし、当初考えていた以上に制作に時間がかかってしまい、全体の完成まで大変お待たせしてしまいましたことは申し訳なく思っています。（納品はまず第1弾として食器棚と収納棚を納品し、その後第2弾としてオーディオボードを納品させてもらうこととなりました。）それでも、文句ひとつ言われることなく、喜びと感謝の言葉をいただき、ありがたく思います。

これで今回の壁面収納家具以外にもミズメザクラのダイニングテーブルセットやウォールナットの書斎机セット、πチェアのフラット肘型4脚セットや3種の異素材πチェア、極上杢栃無垢一枚板座卓など、本当にたくさんの家具を作らせていただいたことになります。

T様がおっしゃるように、まるで「半布里工房の家具ギャラリー」みたいです。本当にうれしい限りです。これからもT様のご希望を叶えるべく腕を磨いてお待ちしております。今後ともよろしくお願いします。ありがとうございました。

M様には「胡桃（クルミ）サイドボード」と「マカバ無垢一枚板ダイニングテーブル」をご注文いただきました。

M様からお問い合わせをいただいたのは昨年の9月でした。「胡桃サイドボード」が目を惹いたとのことでした。何度もメールでのやり取りがあり、その後で直接工房まで来て見てみたいとのお話をいただきました。お越しいただき、実際に見ていただいて納得もいただいたようで、サイドボードのほうはご注文をいただきました。

また、テーブルのほうもということで、一緒に材木店へ行って板をご自分で見ていただきました。その中に素晴らしい極上の杢が出たマカバの一枚板があり、それを使ってテーブルを制作することになりました。その後、サイズなどいろいろお打ち合わせを重ねました。そして、それから約半年経った3月の末、ようやく納品させていただくことができました。

制作の様子は里山だよりでも時々載せていましたが、その都度ご覧いただき、感想のメールなどもいただいたので、やり取りを続けていられたことはよかったと思います。いろいろお話を続ける中で、家具に限らずM様のさまざまな物事に対するこだわり、取組方のようなものが私のほうにも伝わってきて、喜んでもらえるものにしようと制作にも一層力が入りました。

感想を送っていただいたメールには「佐藤さんにお願いしてよかった〜♪というのは湧いてくる気持ちでお世辞ではありません」と付け書きされていて、本当に喜んでいただけたのだなぁとホッといたしました。本当にありがとうございました。

T様から「座卓用に良い一枚板を探して欲しい」とのご依頼を受け探していたところ、A材木店で極上の杢が入った栃の無垢一枚板を見つけました。荒材の状態で見ても全体に素晴らしい縮み杢が見られました。他にも候補となる板を探して数点画像を送りましたが、その中でこの板を選ばれました。

ただし、（製材の際の手違いだと思われますが）木末と木元で10ミリほど厚みが違っていたり、すごく反りやねじれがあったり、てっぽう（虫）の穴があったりなど、いくつか問題も抱えていました。

普通に平面出し（我々は「むら取り」と呼びますが）をすると50mmにも仕上がらないほどの大きく反った板でしたが、何とか厚みを確保するために加工を工夫し、欠点を目立たせないような加工を施して制作をいたしました。完成してみると、荒材の状態で見た時より想像を超える杢のきらめきが表れ、感動するほどでした。

縮み杢が見られる部分はその細かさに驚き、ダイヤモンドのような杢が見られる部分も広がり、白太から赤味にかけて板全体に美しい杢が広がっていました。まさに極上といって良いほどの杢板でした。

納品後にお客様の方から「最高の縮みは『一寸八縮み』と言われる」ということや、数えてみたらこの板がそれを超える12〜15本も細かい糸縮が入っていたということをその喜びと共にメールを頂いて、逆にこちらが教えられたぐらいでした。なかなか出会うことが出来ない板であり、そんな板を使って制作する機会を与えられたことにも感謝いたします。

K様からくるみのちゃぶ台を作ってほしいというメールを頂きました。

「胡桃のちゃぶ台、100センチの大きさでお願いしたいと思います。色々と、ちゃぶ台を探していましたが、半布里工房さんのホームページを見て一目惚れしてしまいました。胡桃の持つ優しい色も素敵ですが、それ以上に技法、工法にすっかり感動しています。毎日、何度も見てはいいなあ、いいなあと思っています。昔ながらのちゃぶ台を囲み、家族と食事出来たら本当に幸せです。どうぞよろしくお願いいたします」

というような内容でした。

その後たまたまK様の住んでおられる近くに以前納品させていただいたお客様がみえるということ（その方はカフェを営んでみえます）をお伝えすると、そちらにも行かれたようで、当工房の作った製品を見ることが出来たというメールも頂きました。

「今日、○○さんへ行って来ました。ドアを開けると直ぐに、素敵なホールベンチが目に飛び込んできました。そして、白い壁には温もりのある額が飾られていました。半布里工房さんに一目惚れだったとか…岐阜へ二度も行かれたこと、ご自宅にはテーブルが置かれていることなど嬉しそうにお話されていました。同じ気持ちを共有出来て、とても幸せなひとときでした」

そしてたまたま良質な国産の鬼胡桃を入手することが出来、制作いたしました。予定より少し早めに制作することができ、クリスマス前に送ることが出来ました。

感想のお手紙を読んで、感激の一言です。まだまだ至らない部分もあると思いますが、そんな私の作ったものに対してこんな言葉をいただけるのですから…また、私の作った家具一つが「家族」のつながりのお手伝いをできるのですから、制作者としてこんな幸せはありません。むしろこのようなことを感じておられるK様のお人柄の素晴らしさを感じます。

また一つ素晴らしい出会いをさせていただけて感謝します。ありがとうございました。